2023.01.03
AKARA LIVE NEWS 第二部
2022年のAKARAは、『BERSERKER/GUILTY』『Chronicle/DEAD OE ALIVE』と2枚の音源リリース。そして、久しぶりの欧州での公演を行うなど、精力的に活動の輪を広げてきた。国内でも、愛沢絢夏と共に「AKARAZAWA」を仙台・福島を中心に、その輪を国内へと広げながら精力的に行っている。それらの動きの集大成として用意したのが、12月25日に渋谷GUILTYを舞台にした二部構成のワンマン公演「AKARAワンマンライブ 『REGENERATION 〜The circle of rebirth〜』」になる。この日は、「今までに無いもの凄い化学反応を示した1部公演の『Genesis』」と「音圧と破壊力抜群な2部公演の『Destruction』を用意。さらに、この日より最新シングル『Regeneration/百花繚乱(AKARA Edition)」を発売した。ここでは、第ニ部に当たる『Destruction』公演の模様を伝えたい。
「もう体力なんか絶対に残すな!」。MIKIKOの煽り声と流れだした『Absolute ZERO』に合わせ、フロア中の人たちが右手を高く突き上げ、一斉に跳ねだした。幕を開けた瞬間からそこは、感情のアクセルを思い切り踏み込み、気持ちのままに騒ぐ輩たちによって祭りの景色に染め上げられていた。この日は、マスク越しなら声出しOK。1部もそうだったが、2部にも、AKARAのライブに必要不可欠な、声を上げて気持ちを一つにしてゆく景色が生まれていた。
荒ぶる音を突きつけ、『RED』が全力で駆け出した。その演奏に刺激を受けた観客たちが、いきなり声を上げだす。赤く魂を燃やし、熱情に触れて咲き乱れる景色が目の前に広がる。狂おしいメンバーたちの動きに誰もが気持ちを重ね合わせ、声を張り上げ、身体を折り畳む。すでにライブはクライマックス?そんな錯覚を覚えるほど、熱情した気持ちが身体の奥から止めどなく沸き上がる。ヤバいよ、興奮が止まらない!!
TAKAがグロウルする声を合図に、楽曲は『Reload』へ。TAKAと観客たちが、「Oi!Oi!」と荒らげた声をぶつけながら殴りあう。互いに本気だ。この会場に生まれた熱が理性を打ち消し、本能のままの自分へ戻してゆく。だからこそ、お互いに素顔の自分を解き放ち、共に声で殴りあっていた。2部公演は、新たに加わったAKARA初の女性サポートギタリストのEITAが最初から演奏に参加。ド頭からパワーの増したエネルギッシュな演奏が炸裂。こうなるのも当然だ。
次のブロックでは、TAKAの篠笛とTommyの箏が織りなす妖艶な和楽の世界へ観客たちを誘いだす。箏を爪弾きながら地歌を歌うTommyの歌声がとても印象深い。『NEO古典』を通して、TAKAとTommyが描き出した、太古へと導く幽玄で麗美な演奏。古典芸能??いや、日本人の魂のDNAに刻まれた音の声を、TommyとTAKAが伝えていた。とくにTommyの歌は幽玄な語り部となり、観る人たちの心をずっと惹きつけていた。TAKAの能管とTommyの箏の音色が一つの空間の中で触れ合うように、艶やかな音の風を吹かせてゆく。
TAKAとTommyの演奏が次第に高揚。その音色へ演奏陣が寄り添うように、艶やかな音の風を鳴らしだす。やがてその音色は轟音へと変化。そのまま楽曲は『夏疾風』へ色を塗り変えていった。声を荒らげ、観客たちを煽るTAKA。その気迫に負けずとフロア中の人たちも声を荒らげ、身体を激しく折り畳み、一体化した景色を作りあげる。TAKAの吹く篠笛の音色も、魂を熱情させる。伝統と現代との融合が、こんなにも激烈な音楽になる。それをAKARAは証明していった。
幽玄な音色を幕開けに、楽曲は激しく感情を高ぶらせるように『Moments』へ一気に様変わる。たおやかな面も歌声や演奏の端々に見せながらも、AKARAは衝撃の強い轟音な和ロックをぶつけ、この空間を熱狂だけで染めあげてゆく。もっともっと壊れてしまえ。いや、壊れてこそ、ここに在るべき姿。それをわかっているのなら、力強く拳を上げて乱れ狂えと言わんはかりに、メンバーたちは荒れ狂う音と声を上げ、この空間を、理性を忘れた輩たちによる熱情した宴へ染めあげていった。
アコギの音色に乗せて届けたのが、晴れ渡る景色を歌声と演奏を通して描き出す『蒼天-Sora-』。沖縄民謡のような音色も織りまぜた、琉球ハード浪漫な魅力を見せる楽曲だ。MIKIKO自身が、伸びのある声を、目の前へ広がる晴れた景色へ優しく溶け込ませるように歌っていた。この曲に触れている間、心は密閉された空間を飛び出し、青空と海原の見える景色の中、眩しい陽差しを集めていた。
『GUILTY』は、鮮やかで可憐な箏と篠笛の音色を軸に据えたインストナンバー。Tommyの箏のメロディアスな旋律がリードを取れば、そこへTAKAの篠笛の音色が絡み合い、艶やかなハーモニーを作りあげる。TAKAは、2本の篠笛を巧みに使い分けてゆく。2人の奏でる音色を、激しく重厚なハードロックサウンドが力強く押し続ける。フロア中の人たちが身体を大きく揺らし、拳を突き上げ、声をぶつけてゆくのも納得だ。妖艶メタルの神髄??を、彼らは見せてくれた。
続いて届けたのが、この日よりシングル発売になった『Regeneration』。こちらも、理性を破壊し熱情した輩へと再生してゆくAKARA流のダンスロックナンバー。躍動するビートに合わせ突き上がる拳。AKARAが提示した破壊と再生の物語は、理性を次々と壊し、本能を剥きだしにした野性児たちをこの会場に生み出していった。それもまた一つの生まれ変わりの物語。むしろAKARAや、AKARAを支持するファンたちらしいと言うべきか。
MCでは、コロナ禍の中でも挫けることなく活動を続けてきたことへの思いを、MIKIKOが熱く語っていた。続いて披露した「百鬼夜行」のテーマソング『百花繚乱』も、最新シングルに収録した楽曲。とても艶やかでたおやかな、古の時代へと誘う幕開けだ。そこから歌声や楽曲は、次第に輝きを増すように光と熱をまといだす。まさにAKARAらしい、艶やかな和ダンスロックナンバーだ。MIKIKOの歌声に心地好く身を預けながらも、躍動する演奏に刺激を受け、何時しか身体は揺れていた。まるで祭りで舞い踊るように宴の中で浮かれていた。でも、それが気持ちいい。心が華やぎ咲き乱れるのなら、その衝動へ導かれるままに舞い踊り、騒げばいい。
華やいだ宴の中へ、EITAの爆音を鳴らすギターの野太い旋律が轟き渡る。そこへ絡む須藤優輝の荒ぶる音色。荒れ狂う2本のギターのバトルに、フロア中の人たちも沸き立つままに声を上げていた。2人の哀愁味を帯びたツインギターのリフを幕開けに、楽曲は『ZIPANGU』へ。ドラマチックな始まりに一気に気持ちを荒らげた観客たちが、熱情した声を響かせ、天高く拳を突き上げ、この空間を熱情した真紅の景色に染めあげてゆく。今にもフロアへ飛び込みそうな勢いで、拳を突き出し熱唱するMIKIKO。舞台と客席という境界線が何時しか消え去り、互いに目の前で顔を突き合わせ、沸き立つ思いをぶつけあう。その様は、ほとばしる互いの汗も肌に感じるくらいにきつく抱き合うような熱く密接した関係にも見えていた。
「全員で叫び散らかすぞ!!イケるかYAKARA〜!!」。その声を合図に突きつけたのが、『STORM』だ。緩急した表情を描き出す楽曲とはいえ、熱情した気持ちはもう制御出来ない。激しく足を床に打ちつけながら歌うMIKIKOの姿も印象的だ。何時しかTAKAも前へと踊り出て、観客たちと共に熱狂の景色の中で気持ちを蹴り狂わせていた。篠笛の音色が、いつも以上に激しく踊っていた。それはTommyも一緒だ。弾ける箏の旋律が、天高くまで飛び跳ねるように音を鳴らしていた。くしゃくしゃの顔で絶叫するMIKIKO。さぁ、このままイクところまでイッてしまえ!!
最後にAKARAはタオル曲『Shut xxxx up !!』を奏で、頭を激しく揺さぶり、狂乱したヘドバンの景色を作りあげた。演奏に合わせ、熱く両手を叩き、飛び跳ねる観客たち。サビでMIKIKOとTAKAが力強く振り回すタオルの動きと気持ちを重ねるように、フロア中の人たちも思いきりタオルを振り回していた。その瞬間、この空間に本当に風が舞っていた。たくさんのタオルによって掻き回した熱気が、大きな風になり、この空間に熱風を巻き起こしていた。ヤバいよ、高ぶるこの気持ちが爆発しそうだ。バクバクとしたこの衝動、とにかくぶちまけないと、気持ちの収まりがつかない!!
アンコールは、やはりこの曲。国内どころか、欧州中の人たちを熱狂させた『BERSERKER』だ。演奏が始まったとたん、フロア中から熱いクラップが巻き起これば、メンバーらと一緒に、会場中の人たちが思いきり高く跳ねだした。踊らにゃ損損の言葉どころか、損なんてことを思う前に誰もが思いきり飛び跳ね続ければ、サビでも高く掲げた両手を大きく振り上げ、跳ねることを止めなかった。何時だって祭りは、踊り跳ねてこそ。それが一体感と激しい熱狂をその場に生み出す。AKARAの見せた祭りは、そこへ理性を破壊する轟音が描き加えられている。メンバーも、フロア中の人たちも、理性を壊した後に生まれる純粋無垢な祭り人となり、この空間に何処よりも熱情した宴を作りあげていた。この祭り、AKARAがいれば何処にだって生まれる。ならば、一緒に祭り上がらないともったいない!!!
PHOTO:bemaicolour
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
MIKIKO&Tommy合同生誕祭
2023年2月26日(日) 巣鴨
詳細ほかライブスケジュール等
ボーカル:MIKIKO
箏:Tommy
篠笛・能管:TAKA
〈 Support Member 〉
渡辺“kagome”佑輔(Ba.)
山口タイト(Dr.)
須藤優輝(Gt.)
EITA(Gt.) ※第二部のみ
セットリスト
『Absolute ZERO』
『RED』
『Reload』
『NEO古典』
『夏疾風』
『Moments』
-『蒼天-Sora-』
『GUILTY』
『Regeneration』
『百花繚乱』
EITA Gt.ソロ
『ZIPANGU』
『STORM』
『Shut xxxx up !!』
-ENCORE-
『BERSERKER』
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