中恵光城　NEWS

2023.03.21

中恵光城　NEWS　

　太田家/囁揺的音楽集団AsMR/月照ラスの3バンドを筆頭に、音楽系Vtuberユニット Silent Emotionなど、いくつものバンド/ユニット/ソロアーティストが所属しているMashup Records。同レーベルが、2023年1月より、太田家/囁揺的音楽集団AsMR/月照ラスの3バンドを中心に据えたイベント「-異彩-」の定期開催をスタート。

第二弾として行われたのが、2月28日(火)に渋谷DESEOで催した「Mashup LIVE -異彩- streaming by GALPO LIVE SHOW Vol.2」になる。この日は、ゲストに声優/アーティストの中恵光城が出演。当日のライブの中から、ここでは中恵光城の公演の模様をお伝えしたい。

中恵光城

　和要素を抱いた幻想シンフォニックな音が舞台の上からあふれだす。中恵光城は『刀心幻戯』を通し、この空間を、妖しくも高揚を覚える異境の宴へと染めあげた。歌の世界へ憑依した中恵光城が、物語を彩るように綴る語り部となり、幻想かつ高揚した音色を響かせる楽器陣の音色を通し、物語の中へ観客たちをぐいぐいと引き込みだす。とてもたおやかな表情を見せながらも、その歌声には強い意思と存在感が満ちていた。その迫力に、気持ちがグッと引き寄せられる。この日の演奏を、太田家の太田エリカ様(G)、月照ラスのrin(B)と石川洋(Dr)が担っていたのも、嬉しい見どころになっていた。

　久しぶりの声出しライブに興奮する中恵光城の姿も新鮮だ。世界観を持った荘厳/麗美な楽曲とは裏腹に、MCではとてもフレンドリーな姿を見せる。そのギャップも嬉しい魅力。この日は、バンド映えがする重い楽曲をセレクトしたことも伝えていた。

重厚な音の調べが描きだしたのは、心を酩酊させる幻惑した世界。中恵光城は微睡みへ誘う深い歌声を通し、『無窮盟約』に描いた物語の中へ観客たちをどっぷりと浸らせる。中恵光城の歌声が、曲世界を幽玄に描き出すコンダクターとなり、気持ち酔いしれる耽美で魅惑な世界を目の前に描きだしていた。

キーの高い声を巧みに駆使した儚くも美しい歌を合図に、楽器陣が重厚でシンフォニックな音世界を描き出す。『サダクビアの秘密』を通し、中恵光城は雄々しく声を張り上げ、重く美しい世界へ観客たちを招き入れる。中恵光城は、物語の主人公に身を委ね、心揺れ動くまま、さまざまな音と声の色を用い、歌と演奏の絵筆で壮大な物語をこの空間に描きだす。なんて重厚で妖美で妖艶な世界だろう。彼女は、「この曲をバンドで演奏するのは、初めて」と語っていた。確かに、とてもバンド映えする楽曲だ。

MCでは、無邪気にはしゃぐ中恵光城の姿があった。そのギャップには、トークのたびに惹かれる。

　熱情した中恵光城の歌声を受け、演奏が力強く駆けだすのにあわせて『深層心闘論』が飛びだした。重厚な音を引き連れ疾走する楽曲と感情をシンクロした中恵光城は、荒ぶる魂を歌声に変えて響かせていた。駆け続ける中で巧みに表情を変えてゆく曲調に合わせ、中恵光城も声の色や熱量を巧みに変えながら、観ている人たちの感情を熱く奮い立てていた。戦いを挑むような勇壮な様で、自由に求め翼を羽ばたかせるよう縦横無尽に歌声を響かせながら、熱情した楽曲を通して彼女はフロア中を沸かせていった。

　最後に中恵光城は、『カレイドパレヱド』を通し、この会場を、一気にきらびやかな熱狂の宴の場に染めあげた。幻惑した音の光をまといながら、中恵光城は凛々しい歌姫と化し、みずからがパレードの先陣を切って突き進むような様で、輝きを持って躍動する楽曲と気持ちを重ねあわせ、高らかに歌声を響かせていた。気持ちを前へ前へと突き動かす凛々しい歌声と演奏だ。終盤には煽る様も登場。フロア中から熱い声を導きだしなから、興奮という絵筆で中恵光城は熱書した物語を描きだしていった。