2023.04.05
HOT DOG CAT NEWS
5月13日に新宿ReNYで行う単独公演を持って、HOT DOG CATは現体制を終了。新たな形で生まれ変わるため、しばし眠りにつく。現体制へ別れを告げる前に彼女たちは、3月30日に池袋harevutaiで"結成5周年"を記念し、「HOT DOG CAT 5th Anniversary ワンマンライブ『疾風怒濤GIG』」を行った。この日は、バンドを従えたライブ。満員の観客たちで埋めつくされた当日の模様を、ここに伝えたい。
強烈なバンド演奏に乗せて、メンバーが次々と舞台に登場。ライブの冒頭を飾ったのが、『楕円形メリーゴーラウンド』。メンバーたちの気合の入った「進め!!進め!!」のかけ声にあわせ、フロア中が高速回転するメリーゴーラウンドと化し、観客たちがわちゃわちゃとはしゃぎ出す。いつも以上にテンポアップ。いやいや、これは完全に『楕円形メリーゴーラウンド(Punk Version)』だ。スピーディーなメロコアスタイルに変貌した『楕円形メリーゴラウンド』に乗せ、メンバーたちは最初から全力疾走でスタートダッシュをかけ、この空間に、くるくると回る無数の拳と彩り鮮やかなペンライトの揺れる景色を作り出す。バンドスタイルで届けたことで、いつもの曲たちが表情豊かにパワーアップしているのが嬉しい。
メンバーたちは、最初から全力疾走だ。1曲1曲に気合を、いや、魂を込めてぶつけていた。『オリンピック・ハイテンション』でも、テンポアップした楽曲に乗せ、100m走に挑む勢いでダッシュしてゆく。4人とも本気で感情をぶつけ、全力で挑みかかっていた。フロア中の人たちも声を張り上げ、思いをぶつけ返す。互いの気迫と気迫をぶつけあう。まさにガチンコのバトルが、HOT DOG CATのライブの中に生まれていた。
もっともっと熱情しちゃいなよとけしかけるように、4人は「CAMP FIRE!!」と叫びながら『炎上キャンプファイヤー』を焚きつけた。4人は、舞台の上から今にもフロアへ飛び込もうとする勢いで、「大炎上」「君が好きになっちゃった」と熱情した声で熱く告白していた。この日の4人は、ずっと攻撃的だ。積極的どころじゃない、相手を絶対に押し倒す勢いで気持ちを開放し、大胆に攻めてきた。 メラメラと心の炎が燃えたぎる最強のライブの景色がそこには生まれていた。
「今日は爪痕を残します」(中川心)。「全員を幸せにしてみせます」(東條紬)。「ここに荒波を起こします」(黒沢あかり)。「HOT DOG CATの完成形をお見せします」(白河陽奈)と語った4人の気迫の籠もった言葉を受けて、次のブロックへ。
熱狂する観客たちを蹴り飛ばす勢いで4人が届けたのが、『青春18キック』。可愛らしい歌なのに、4人の歌声には気合が漲っている。いつまでも終わらない青春を胸に突き進む彼女たち。間奏では、満員の観客たちと「オーオーオー」と歌声を交わす場面も登場。嬉しかったのが、4人の気迫に刺激を受け、演奏陣にも熱が伝わっていたこと。HOT DOG CATのサウンドプロデューサー石谷光のギターソロも、いつも以上に手の動きが活発だった。彼女たちが舞台の上から手渡した切符に刻印してあったのが、"熱狂"行き。感情が爆発しっぱなしなのも納得だ。
4人が気持ちを一つに重ねあわせて『ワンダフルライフ』を熱唱。「手を伸ばして手を伸ばして」と彼女たちは歌いながら、熱狂と興奮という一体化した様をつかんでいた。必死に手を伸ばしても、なかなか理想をつかむことのできなかったへっぽこな彼女たちはもう卒業していた。どんな人のハートもわしづかみにする存在感を、今のHOT DOG CATは見せている。なのに、なんでこの体制が終わるの??手を伸ばしてつかもうとしても、やっぱし夢や願いは届きそうで届かないものなのだろうか…。でも、いつかは届くと信じたい。
ここで繰り広げたのが、まさかの劇団HOT DOG CATの再演?!以前に彼女たちは、「純情アイスティー」という舞台劇を演じていた。 まさかその再現が…。しかも、ベタベタな芝居なのも…。
その様を受けて演奏したのが、『純情アイスティー』。「好き」と告白できない女の子の揺れ動くもどかしい心模様を歌ったこの曲が、この日は、パワーみなぎるバンド演奏に乗せていたせいか、4人とも片思いの切ない恋心を、大胆に告白する勢いで歌っていた。この日のアイスティー、冷え冷えではなく、湯気が立つほど沸騰し、甘さをたっぷり増量したホットミルクティーに変わっていた。
次に届けた『イツモノヨウニ』は、サウンドプロデューサー石谷光がメンバーとして活動しているBilly & The Slutsのカバー曲。熱を持って駆けだす楽曲に乗せ、メンバーたちも熱情した気持ちをぶつけだす。この曲に触れるたび、いつものように いつもの場所で いつもの君らと笑顔で楽しむことに喜びを覚える。今やこの曲は、HOT DOG CATとファンたちとを熱い絆で結びあう、大切なポイントマークとなる楽曲だ。石谷光のギターがいつも以上に唸っていたことも、胸を騒がせた要因だ。舞台の上で力強く歌い踊る4人に向け、フロア中から数多くの拳やカラフルなペンライトの輝きが捧げられる。いつもの場所で、“いつもの君ら”と、いつものように過ごし続けたい。この曲に振れながら、胸の中でそんな風に願っていた。
披露したのが、配信中の最新ナンバー『疾風怒濤DAYS』。冒頭から華やかでカラフルな。でも、HOT DOG CATらしいパンキッシュな世界が広がる楽曲だ。疾風怒濤の如く駆け抜けてきたHOT DOG CATの5年間という日々を、彼女たちはこの曲に凝縮。メンバーそれぞれ在席年数は異なるが、そんな違いも乗り超え、4人が気持ちを一つに「疾風怒濤!!」と叫びながら、フロア中の人たちを煽り続けていた。メンバー一人一人の名前をさりげなく歌詞に組み込めば、そのパートを各メンバーが歌う場面もエモい。東條紬の英詞でのラップパートも、胸を騒がせる嬉しい魅力。沸き立つこの気持ち、もっともっと舞い上がらせたい。
その勢いを倍増するように、HOT DOG CATは甘い衝撃を満載した歌メロチューンの『曖昧me』をドロップ。彼女たちが甘い仕種と歌声で、でも大胆に、積極的に歌い煽る姿を見せていた。その様に触れ、いつしか曖昧な思いじゃなく、HOT DOG CATでなきゃ嫌という強い気持ちが胸の中で満タンになっていた。
HOT DOG CATには、メンバー自身の体験から生まれた楽曲も多い。『THIS IS 合宿』も、グループの強化合宿を通して生まれている。ここからは、ホーンズチームも仲間に加え、華やかなブラス×パンクな歌世界を披露。この曲でメンバーたちは、オラオラした気持ちを胸に荒らげた声でせまりだす。彼女たちは、努力は裏切らないと歌っていた。その積み重ねが今の景色を作り上げたことを思えば、 あのときの試練を乗り越えた成果は、こうやってしっかりと花開いてきたわけだ。途中には、ラッパー東條紬のおらおらと煽るラップも登場。燃えたぎる気持ちが身体中から沸き立つ。4人の姿がキラキラ輝いて見えていたのは、迸る汗のせい??いやいや、気合の現れだ。
『イロイロナイロ』では、スタンドマイクを前に メンバーたちが音の鳴るいろいろな楽器を手に歌いだした。 フライパンを持つ中川心、縦笛を手にした東條紬、そろばんを振る白河陽奈、太鼓を叩く黒沢あかり。いろいな音の色を重ねながら、彼女たちの楽団は、この空間を華やかなフィエスタに染めあげていった。一人一人いろんな個性を持った色があっていい。 この自由さこそ、HOT DOG CATらしい色。いや、HOT DOG CATだからこそ描きだせる笑顔の色だ。
続く『遠距離ハンバーグ』は、世の中が緊急事態宣言下の中、料理に目覚めた黒沢あかりが作った生焼けのハンバーグが元ネタになっている。『遠距離ハンバーグ』に乗せ、フロア中の人たちも無邪気にはしゃぎ続ける。4人が舞台の上から届けた歌と演奏の料理は、ひと際アツアツだ。だからこそ、黒沢あかりの「まだ、生焼けだよー」のセリフが、心をクスッとくすぐった。途中で、演奏が中断。帰国子女??と化した東條紬が音頭を取り、レア(生)バンドを操りながら、黒沢あかりをがに股姿にして立たせ、トロンボーンの音で「ブッ」とおならを出すなど、メンバーらをいじりだす。最後に東條紬が、「3月は別れの季節だ。学生は、4月から新しいクラスだ。わたしは何クラスかって、デミグラス!!」とラップした後に「ハンバーグ」と叫び、ふたたび演奏へ戻る遊び心も見せていた。
『ダウンタイム・ディスコパンク』も、美容整形を受けた黒沢あかりのために作った歌。このメンバーが卒業した後、この曲を誰が歌うのか。もしや、封印されてしまうのか??だったら、黒沢あかりがふたたびメンバーになればいい。そんなことも妄想しながら、軽快なディスコパンクナンバーにあわせ、フロア中の人たちが「ダウンタイム」と歌声を重ね、この場を、華やかでアゲアゲのディスコ空間に染めあげていった。この曲を歌うときの、黒沢あかりの笑顔が最強に輝いている。Dメロで黒沢あかりが聴かせる甘い歌声にハートもメロメロに??そこからディスコビートに乗せて上がってゆく、その感覚がめちゃくちゃエモい。ここには、人を幸せにするアップタイムな空間が生まれていた。
ここで、メンバーが感想の声を述べてくれた。ここには、代表して白河陽奈の言葉を記したい。
「わたしは5年前にHOT DOG CATのオリジナルメンバーとしてデビューをして、たくさんの出会いと別れを経験し、今、ここに立ってます。毎日毎日、ほとんどの時間をグループのことに費やしてきて、答えのわからないことにも向き合い続けて、ときに時間に追われて、正直、5年間大変でした。すごく大変だったんですけど。それでも、好きなことをやるってすごく楽しいんですよ。だから、こうやってやってこれたし、それくらいわたしはHOT DOG CATがずっとずっと大好きです。
みなさんにとって、HOT DOG CATはどんな存在ですか?きっとね、ここにいる一人一人にそれぞれの答えがあると思います。みんなの思いが一つになって、今日までHOT DOG CATを繫いでくることが出来ました。ここまで守ってきてくれて、そして、ここにいさせてくれて、ここで頑張らせてくれて、本当にありがとうございました。
好きなことを追い求め続けて、たくさんの夢と憬れを必死に追いかけてきた5年間でした。もっともっとおっきなところでワンマンライブがしたい、またCDリリースをしたい、夏の大型フェスでメインステージに立ちたい。そんな大きな夢を掲げても、叶えるには、もう時間がありません。でも、わたしの中の"アイドルになること"という夢は、今日も、明日も、明後日も、卒業するときまで叶え続けることが出来ます。だから、わたしからの最後のお願いです。わたしが、HOT DOG CATがステージを降りるその日まで、ずっと一緒にいてくれませんか。わたしは、HOT DOG CATで5年間過ごしてきたこと、ここで経験してきたこと、全部全部誇りだし、最後まで胸を張って頑張ります。ここでみんなと、そして、メンバーと出会えて本当に本当に良かったです」
「私たちがずっと大切にしてきた曲です。今日という日を、今まで過ごしてきた時間を、ずっとずっと忘れないでいてくれたら嬉しいです」。白河陽奈の言葉を受けて歌ったのが、HOT DOG CATの始まりを告げた『オフィーリア〜君に会いたくて〜』。甘いサックスの音色がお馴染みのフレーズを吹き出した。そこへ荒々しいギターの旋律が唸りを上げて重なり出すのと同時に、『オフィーリア〜君に会いたくて〜』は、いつも以上に凛々しく力強いシンフォニックでスタジアムロックな楽曲として鳴り響きだした。メンバーたちも、言葉のひと言ひと言に強い思いといろんな思い出の景色を塗り重ね、5年間の思いの結晶として、フロアにいる人たちに向け「君が 君が 好きだ」と歌っていた。彼女たちが「オーオー」と歌うたびに、胸が疼きだす。年月に違いはあれ、その姿と共に歩んできた人たちが集まった場だからこそ、誰もが真心を込めて『オフィーリア〜君に会いたくて〜』を歌う4人に、いとおしい思いを捧げていた。
ライブもラストスパートだ。最後のときまでキラキラでポジティブな自分たちでいることを誓うように、4人は元気いっぱいに、くしゃくしゃの涙の滲む笑顔で「キラキラな自分になるために 無理矢理でもポジティブになろう」と『キラキラ☆ポジティブ』を歌っていた。 彼女たちが振りまくキラキラとした歌の輝きがフロア中へ振りまかれるたびに、一緒に笑顔で輝いていなきゃという気持ちになる。4人が無理やりにでも気持ちをキラキラポジティブに染めているんだもの。ともにキラキラな自分になるために、無理やりでもポジティブにならなきゃ失礼だ。と書きつつ、その楽しさに巻き込まれ、何時の間にか涙も忘れ、4人と一緒にフロア中の人たちがわちゃわちゃと騒いでいた。
白河陽奈が、「最後のときまであなたの背中を押すから、私たちの背中も押してください」と口にしていた。彼女たちのライブというキャラバンは、もう残り少ない。でも、最後という言葉を目の前にするときまで、互いに応援のエールを送りあいながら、このキャラバンを楽しみ続けようじゃないか。最後にHOT DOG CATは『全力応援キャラバン』を全力で歌いながら、ここに集まった一人一人の背中を、キラキラポジティブな歌で押してくれた。全力で「頑張れ」と応援する、その気持ちと心意気を受け取ったからこそ、最期のときまで一緒に完走したい。その約束を、4人とみんながくしゃくしゃの笑顔で交わしていた。
アンコールで、HOT DOG CATは再び最新配信ナンバーの『疾風怒濤DAYS』を歌唱。5周年にふさわしい、5年間の歩みを凝縮したこの歌を最期にぶち噛まし、この場を笑顔と楽しさが支配する空間に彼女たちは染めあげていった。
現体制のHOT DOG CATの最期のライブになるのが、5月13日(土)の昼帯に新宿ReNYで行うワンマン公演になる。この日までHOT DOG CATと一緒に、疾風怒濤の日々を送るライブというキャラバンを楽しみながら、お互い凸凹どうし、キラキラポジティブな気持ちで当日を迎えようじゃない。いつものように、いつもの場所で、互いにハイテンションで盛りあがろうじゃないか。
PHOTO:中田英之
TEXT:長澤智典
<INFORMATION>
新曲「疾風怒濤DAYS」
各種音楽配信サイトで配信中!
HOT DOG CATワンマンライブ
『現体制LAST GIG』
【日程】2023年5月13日(土)
【時間】開場 12:00/開演 12:30
【会場】新宿ReNY
【料金】※各D代別
■Sチケット(前方エリア/プレイガイド販売) 前売 25,000円
《Sチケット特典》
・前方エリア入場権
・ワンマンライブ当日限定集合写メ撮影券
・特典会ファストパス
・ライブDVD
(2023年3月30日(木)に池袋harevutaiにて開催されたワンマンライブより数曲を収録)
・卒業記念品
■Pチケット(撮影可能エリア/プレイガイド販売) 前売 15,000円
■Aチケット(一般エリア/プレイガイド販売) 前売 3,000円
■Bチケット(一般エリア/手売り販売) 前売 3,000円
■当日券(一般エリア) 当日 4,000円
【チケット予約】
■プレイガイド(S、P、Aチケット)
※4/4(火)22:00販売開始
■手売りチケット(Bチケット)
4/5(水)池袋リヴォイスより販売開始
【入場順】
①Sチケット→②Pチケット→③Aチケット→④Bチケット→⑤当日券
【注意事項】
※マスク着用が必須になります。
※アルコール提供なしとなります。
※飲酒状態のお客様は入場できません。
※撮影エリアのみ踏み台などの使用は可能です。
スケジュール
SNS
白河陽奈(白)
黒沢あかり(赤)
東條紬(紫)
中川心(青)
セットリスト
『楕円形メリーゴーラウンド』
『オリンピック・ハイテンション』
『炎上キャンプファイヤー』
『青春18キック』
『ワンダフルライフ』
『純情アイスティー』
『イツモノヨウニ』
『疾風怒濤DAYS』
『曖昧me』
『THIS IS 合宿』
『イロイロナイロ』
『遠距離ハンバーグ』
『ダウンタイム・ディスコパンク』
『オフィーリア〜君に会いたくて〜』
『キラキラ☆ポジティブ』
『全力応援キャラバン』
-ENCORE-
『疾風怒濤DAYS』
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