2023.05.03
Silent Emotion インタビュー 氷雨いちか編
Silent Emotion インタビュー 氷雨いちか編
先に、VTuber音楽ユニット:Silent Emotionについて紹介しよう。
VTuberプロジェクト『Mi→RiSE -ミライズ-』から新たに誕生した、音楽系VTuberユニットを育成・発信する新プロジェクトの『Mi→RiSE116 -ミライズピンピンロク - 』。その第一弾ユニットがSilent Emotion。メンバーは、花燎めら(かりょうめら)、氷雨いちか(ひさめいちか)、小紫小夜丸(こむらさきさよまる)の3名。『Mi→RiSE -ミライズ-』は、MIRAI+RISE=未来へ駆け上がれ!を掲げた、「BanG Dream!」や「D4DJ」などのストーリー原案を務めてきた小説家・中村航が率いる「ステキコンテンツ」がプロデュースする新たなVTuberプロジェクトになる。(HPより)
これまでに、4曲のMVを作成。このたび、YouTube上で発表し続けてきた『情熱系アンドロイド』『合法妄想Freeze me!』『SHINY WIZARD』『疾風シークエンス』『蒼燕』の5曲と、新たに書き下ろした新曲の『ボナム・ノクテム』の計6曲を収録したミニアルバム『SE』を作り上げ、5月16日に発売することが決定した。
今回、一人一人にインタビューを実施。それぞれが語るミニアルバム『SE』の魅力を感じていただきたい。
氷雨いちか編
――まずは、3人の出会いから教えてください。
いちか わたしは、ダイバージェンス・ヒルという惑星で暮らしていました。だけど、ある日突然巨大隕石が落下して、"就職氷河期"に突入してしまったんです。わたしは惑星の仲間たちの希望となるため、サイバーの世界へと入り込みました。そこで出会ったのが、子供服が着れなくなっためらちゃんと、頭のネジのはずれた小夜丸ちゃん。たまたま3人とも背が高かったので、広いネット空間でもすぐに目に入り、こうやって出会ってしまったわけです。
――みなさん、実際にはどれくらいの身長なのでしょうか。
いちか わたしは、スカイツリーの建設と共に生まれ、スカイツリーの完成と共に身長が止まったので634mです。めらちゃんが、コンバトラーVと同じ57m。小夜丸ちゃんは、ガンダムと同じで18mにです。3人の中でも、わたしが飛び抜けて大きいのと、一番年上ということで、3人の中ではお姉さん的な役割を担っています。
――いちかさんは、長女的な役割なんですね。
いちか そうなんですけど。長女というよりも、わたしがSilent Emotionを守る存在であり、2人を取り仕切る役割。2人は、わたしにとって子分みたいなものです。
――そんな、2人のキャラクターについても教えてください。
いちか めらちゃんは名前通り、いつもメラメラに燃えている子。負けず嫌いな性格が、そのまま歌にも現れています。Silent Emotionの中でも、とくに熱量の高い歌声で引っ張ってくれるのがめらちゃんです。見た目は強そうですが、意外とかわいらしい一面もあるし、しかもメンバー思い。小夜丸ちゃんのお誕生日会を「2人で仕掛けようよ」とわたしに誘いかけてくるくらいですからね。あと、ゲームはめちゃくちゃ強いです。
小夜丸ちゃんは、いつもはしっこにいるから、身長の高いわたしからはよく見えないです。だから、いつも何をやっているのかよくわからない子。わたしは、小夜丸ちゃんの頭からはずれてしまったネジを探すという役割も担っています。そのネジを見つけ出し、ギュッと頭を占め直したら、小夜丸ちゃんはきっと光の世界に出られる子になると思うんですけど…でも今のままの小夜丸ちゃんが個性的で楽しいから、もしネジを見つけたら、わたしがそっと隠し持つことにします(笑)。小夜丸ちゃんは闇属性の暗い子なんだけど、不思議と歌声に色気があるんですよ。しかも、独特の世界観を持っている。歌の途中で語りを入れてくることがあるんですけど、それがすごく特徴的で素敵なんです。わたしにはないものを、小夜丸ちゃんはたくさん持っています。
――そんないちかさんは、どんな方ですか。
いちか わたしは"水をすべる者"として、いろんなところで"すべて"います!
――えっ、そんなにギャグが滑ってしまうんですか?
いちか、 違う、違う、その"滑る"じゃない。すべてを統率するの"統べる"です。そこを間違われると、大きな誤解を生みますから。
――3人が出会って、もう1年半以上の歳月が流れました。
いちか 本当にあっと言う間でしたね。この1年半強の中で、オリジナル曲を6曲も歌えたのは、すごいことじゃないですか?!そのうえで、個々に「うたってみた」などもやってきたことを考えたら、とても充実した日々を過ごしてきました。Silent Emotionには、自分を表現するうえで塞ぎ止めようとする壁は一切ありません。本当に、伸び伸びと自分を出していける世界だなと思います。
――しかも、これまでに歌ってきた楽曲は、どれ一つとして同じ表情が無いですからね。
いちか そうなんですよね。Silent Emotionは「退廃的エモロックユニット」というテーマを掲げて活動を始めました。曲調や世界観はすべて異なりますが、どの曲の根底にも「ちょっと胸が苦しくなる」や「切なさを覚える」要素があって、きっとこれこそがSilent Emotionらしさなんだと、わたしは感じています。
――ここからは、発表順に楽曲の魅力を語っていただけたらなと思います。最初に世の中へ提示したのが『情熱系アンドロイド』でした。
いちか Silent Emotioの物語は、ここから始まりました。イントロの時点で覚えるノリやすいリズム。そこから楽曲の世界観がキラキラキラ~ッと広がりだす。その展開は、まるでSilent Emotionの未来を象徴しているかのようです。「今から物語が始まるんだ」というワクワクした気持ちにあふれているのが、『情熱系アンドロイド』です。
どの曲でもそうですが、わたしは3人の歌声が重なり合ったユニゾンのパートがすごく好きなんですね。6曲の中でも、とくにユニゾンの綺麗な声を味わえるのが『情熱系アンドロイド』です。
――次が、『合法妄想Freeze me!』になります。
いちか わたし、3人ともかわいい声をしているところが特色かと思っていたんだけど、『合法妄想Freeze me!』のようなこんなにも激しい楽曲にも挑戦できるんだ!とうれしくなったのを覚えています。レコーディングのときも、いかに恰好よい表現を出せるかを意識していたのを思い出します。
レコーディングのときは、各自丸々1曲歌うんですね。そのうえで、プロデューサーの方が歌割を決めていくんですけど。『合法妄想Freeze me!』では、「ここ、わたしのパートかなぁ」というところがわたしじゃなかったり、「ここは、わたしじゃないだろう」というところを担当させてもらっていたりと、予想外の歌割になっていて驚きました。
――『合法妄想Freeze me!』は、テレビからも流れていましたよね。
いちか 「ワールドプロレスリング」の「2・3月度ファイティングミュージック」に起用してもらいました。まさか、デビューしたばかりのわたしたちの歌声がテレビから聴こえるなんて…。もちろんすごく嬉しかったですけど、なんだか不思議な感覚もありましたね。「これからの私たちどう進んでいくのかな」と嬉しい期待感にわくわくしていたのも覚えています。
――"Freeze me"とも歌っているように、いちかさんのキャラクターである"水"の要素も関連しているのでしょうか。
いちか みなさん、そう思いますよね。わたしも最初はそう思っていました。でも、関係なかったです(笑)。むしろ、炎っぽいイメージの『情熱系アンドロイド』のほうが、わたしの歌うパートが多いです。そういう期待を嬉しく裏切っていくのがSilent Emotionですから(笑)
――次は、オリエンタルな要素を持つ『SHINY WIZARD』になります。
いちか まさに和/オリエンタルな魅力を出した、わたしの大好きな楽曲です。『情熱系アンドロイド』や『合法妄想Freeze me!』と比べて、『SHINY WIZARD』には色気を覚えます。と言っても妖艶さではなく、たとえば10代の子が頑張って出そうとしているかわいらしい色気のような。『SHINY WIZARD』では、吐息多めの歌い方を心がけたりして、わたし自身の歌声の引き出しもいろいろと開けてくれた楽曲になりました。
日本のわびさびをよくわかってない日本人が、外国からきた人たちに古きよき日本の良さを伝えてゆく。そういう無邪気な感じの歌詞も、かわいいですよね。
――続いては、『疾風シークエンス』にいきましょうか。
いちか 『疾風シークエンス』はすごく恰好いい曲です。ただ、歌入れは一番難しかったです。わたし、以前からHIP HOPが大好きでよく聴いていたから、この曲に出てくるラップパートも「余裕でしょ」と思っていたんだけど、“好き”と、“歌うのが得意”は違うというか、けっこう苦労したといいますか…「どうやったら格好よくラップできるんだろう?!」といろいろ考えながらレコーディングをしていました。
――サビ歌終わりに、みんなで「――詠唱!!!――」と歌い叫ぶところにも嬉しいインパクトを覚えました。
いちか そこ、いいですよね!さらに「――詠唱!!!――」と歌い終わったあとに、(Come! Come! Come! Come!)と煽りが入ります。いつかバーチャルの世界を飛び越え、リアルの世界でライブが出来るようになったとき、サビ歌から煽り部分までをみんなで一緒に歌いたいですね。それくらい、『疾風シークエンス』はライブの景色が思い浮かぶ楽曲です。
――次が、『蒼燕』になります。
いちか この曲の歌詞に「蒼 碧 煽 逢 遇」と、たくさん"あお"という言葉が出てくるから、「これは、イメージカラーが水色であるわたしのテーマ曲!!」と思っていたら、ぜんぜん違いました(笑)。また裏切ってきましたねという気持ちです!『蒼燕』は、小説✕音楽✕ボードゲームプロジェクト「魔女のお茶会」のキャラクターソング。朝焼けの空の景色が浮かぶ、とてもエモい楽曲です。
『蒼燕』には難しい漢字や表現がいろいろと使われていて、それを読み解くのも、この曲の面白さ。「闇歴史」と書いて「きおく」と読ませるなど、中村先生の書く歌詞の面白さを随所から感じてください。歌詞の内容は、「魔女のお茶会」の世界観ともリンクしているから、ボードゲーム「魔女のお茶会」と一緒に触れてもらえると、また違った世界が見えてくると思います。
――『ボナム・ノクテム』は、1stミニアルバム『SE』で、初めて耳に出来る新曲になります。
いちか わたしが『ボナム・ノクテム』の歌入れをしながら感じていたのが、「誰もが心に抱えている、焦燥感」。それと、「ネガティブな思いを抱えながらも、でも、生きていくしかない」という前向きな気持ち。音数がそんなに多くない楽曲だからこそ、私たち3人の歌声の表情をより楽しめると思います。タイトルの「ボナム・ノクテム」は、ラテン語で「お休みなさい」のこと。わたしの日常には、これまでなかった言葉が出てきたのも、すごく新鮮でした。
――この曲も、「魔女のお茶会」に関連した楽曲なんですよね。
いちか そうです。『ボナム・ノクテム』は、「魔女のお茶会」という物語を総括する楽曲。だけど、聴く人次第で、いろんな受け止め方の出来る内容にもなっていると思います。たとえば、『ボナム・ノクテム』の歌詞の一節に「君を待ってる」と出てくるんですけど、『情熱系アンドロイド』の中には「君を探すことに決めた」という歌詞が出てくるんですよね。作詞をしていただいた中村航先生に聴いてないから本当の答えはわかりませんけど、サイエモ的に解釈すると、わたしは『情熱系アンドロイド』から始まった”君を探す物語”のファーストシーズンが終わったようなイメージを抱きました。”君”を見つけ出せないまま、セカンドシーズンに続いていく感じです。まだハッピーエンドではないですね(笑)。ただし、『ボナム・ノクテム』はアルバムだと4曲目に流れてくるから、その解釈が合っているのかも謎ですけど(笑)。そうやっていろんな解釈を広げていけるのが、中村航先生の描く世界観の楽しさですし、Silent Emotionの楽曲の面白さだと思います。そのときの心情によって歌詞の受け止め方が変わっていくのも含め、どの楽曲にもいろんな答えを導く要素を詰め込まれています。
――完成したミニアルバムの『SE』。今のいちかさんにとって、どんな1枚になりましたか?
いちか ここまで思いを込めながら丁寧に作ってきた1曲1曲が、こうやって形として残るはすごく嬉しいですね。しかもこの作品には、ここへ至るまでのSilent Emotionの軌跡が詰め込まれています。わたしにとってはすごくかわいい、大事な1枚になりました。
――今のいちかさんにとって、Silent Emotionとはどんな存在でしょうか?
いちか これまでの活動で、Silent Emotionを通して達成できたこともあれば、やりきれなかったこともあります。挑戦してきたことで新たに見えた課題も含め、ここからは、課題を一つ一つクリアしながら、もっともっと活動の頻度を増やしたい。そう思えるくらい、自分の中でも大きな位置を占める存在になっています。
――これからのSilent Emotionは、どうなっていくんでしょうね。
いちか この1年半強の中で、「恰好いいSilent Emotion」「かわいいSilent Emotion」「色気のあるSilent Emotion」など、3人の中にいろんな引き出しが増えました。だからこそ、それを生かしながら自信を持ってミライへ進み続けます。そのミライへ共に進む中で、あなたの日々の生活を彩る1枚として、ミニアルバムの『SE』にも触れていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!
TEXT:長澤智典
【アルバム情報】
「SE」/Silent Emotion
2,750円(税込)
発売日:2023/05/16 発売
販売状況:予約受付中
特典:特典あり
【商品詳細】
サイレントな世界で、君をさがしてる――
2021年12月25日始動。
「退廃美」をテーマにしたエモ×ロックナンバーを携えて、
音楽シーンに突如現れた音楽系VTuberユニット『Silent Emotion』。
炎を統べる「めら」、闇を制する「小夜丸」、水を操る「いちか」の3人が、
それぞれのMIRAIを掴むためにやって来たバーチャルな世界で運命的な出会いを果たす。
「小さきものたちに夢と希望を!」
今まさに、3人の心に宿るサイレントなエモーションが、
世界を席巻しようとしている。 全楽曲P4DJプロデューサー/小説家の中村航が作詞を担当
【収録内容】
テレ朝 『ワールドプロレスリング』2022年2.3月度ファイティングミュージック「合法妄想Freeze me!」
小説✕ボドゲ✕音楽「魔女のお茶会」キャラクターソング「蒼燕」「疾風シークエンス」を含む全6曲
【収録曲】
・Shiny Wizard
・情熱系アンドロイド
・合法妄想Freeze me!
・疾風シークエンス
・蒼燕
・「タイトル未定」(新曲)
【特典情報】
複製サイン入り 楽曲ジャケット
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▲ゲーマーズ
(C)Mi→RiSE -ミライズ (C)Mashup entertainment
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