イベントアイドルライブ
2023.06.22
「ぱわそ(THE POWER SOURCE) vol.7」 EVENT REPORT
 6月8日(木)に渋谷DESEOを舞台に行われたイベント「ぱわそ(THE POWER SOURCE) vol.7」。
出演したのが、東京セラフィム/アイアイタイガー / #111111SICK / 病ンドル / 来瞳舞夢 / 小粒 / 早坂七星 / nem仔。当日の模様を、ここにお伝えしよう。


#111111SICK 

未完成ゆえの魅力と不安が交錯している今の#111111SICK。これからどんな風に進化成長してゆくのか、その未来に期待したい。

 

  イベントのトップを飾ったのが、病ンドル・候補生グループの#111111SICK(ハイシック)。彼女たちも、病ンドルと同じ病み属性??セーラー服型の衣装が、"より"病みっぽさ"を演出している。
  ライブは、ダークで激しい『evil』からスタート。楽曲は、病ンドルのカバー。でも、パフォーマンス面では本家に負けずとオラオラな姿勢で攻めてゆく。挑むような歌い方から、モニターに足を乗せ、フロアの人たちを煽る姿など、凛々しい表情で観客たちを挑発。メンバーらに煽られるたび、フロアでも、声を張り上げ、腕を振り上げて騒ぐ人たちも。すでに、がっつりとコアなファンたちのハートを#111111SICKはつかんでいるようだ。

  シンフォニックでダークな音色も印象的な『ミライセカイ』でも、彼女たちは愛らしい姿を示しながらも挑発する姿勢を止めることはない。「まわれ」の声に合わせ、舞台の上にサークルを作るメンバーたち。哀愁を帯びた泣きメロなサビ歌では、心を潤す面も見せていた。まだまだ発展途上ながら、病ンドルの持つイズムをしっかり継承している姿にも注目だ。

 激しく絶叫した声を張り上げ、彼女たちは『sgrks』を歌いだした。これまで以上に雄々しく。時折、今にも壊れそうな悲痛な声も加え、3人は楽曲の持つ世界観に気持ちを重ねあわせ、終始、観客たちをけしかけるように歌っていた。どこか気だるそうな表情を浮かべながらも、やる気満載で激しくダンスを踊り、挑発するときは全力で煽るところも、嬉しい見どころだ。

  「愛してる気安く言わないで」。#111111SICKのライブの最後を彩ったのが、『crim』だ。まだまだ音程面での不安定さはあるが、挑む凛々しい視線やオラオラと挑発する声や姿勢は、見ている人たちの気持ちをしっかり揺さぶっていた。未完成ゆえの魅力と不安が交錯している今の#111111SICK。これからどんな風に進化成長してゆくのか、その未来に期待したい。



https://twitter.com/highsick_tokyo
https://yandoll.tokyo/


病ンドル

1曲の中へ豊かな表情を覚えるところが、病んだドラマを描くのに長けた病ンドルらしい面だ。

 

  病みと共存するアイドル、こと病ンドル。冒頭2曲を、先にライブを行った#111111SICKの後半の流れと同じ構成で攻めてきたところが、やるじゃない。それは、本家と候補生の違いを比較してみなってこと??!!

  メンバーは2人とはいえ、ひとたび歌い始めたとたん、そのパワーと存在感には人の心を引き寄せる魅力がある。いや、『sgrks』を歌いだしたとたん、2人に、いきなり顔面にワンパンチをくらったような衝撃をぶつけられた。彼女たちは楽曲の心模様に合わせ、感情的な声色から、心淀めく様、ときには高笑いする姿まで、1曲の中へいろんな声の顔を描きだす。さすが、場数を多く踏んできた病ンドルだ。歌っているときはもちろん、舞台の上にたたずむだけで存在感を発揮していた。

  「愛してるなんて 気安く言わないで 身勝手なあなたのまま」、お馴染み『crime』の登場だ。冒頭に歌ったサビ歌が強烈に心を貫いた。けっして激しく挑発するわけではない。むしろ、軽く笑みも浮かべて観客たちをけしかける。でも、気持ちが熱く騒ぐのは、彼女たちの存在感に圧倒されつつも、強く惹かれていたからだ。痛い心の声を感情的に歌うサビのパートは、何度聴いても胸をキュッと揺さぶる。けっして激しくアクションを起こしているわけではない。なのに、1曲の中へ豊かな表情を覚えるところが、病んだドラマを描くのに長けた病ンドルらしさ。

 内なる感情を爆発させるように、2人は『イクオリティ』を熱唱。激しい楽曲ながら、2人の歌声には、どこか明るい希望にも似た輝きを覚える。病みや闇を知っているからこそ、それを反転させる力や術を彼女たちは身につけている。自分の存在を、見ている人たちにしっかりと植え付けるように歌う、その姿が瞼に焼きついた。

 最後に病ンドルは、『ANKH』を歌唱。これまで以上に激しく、荒々しく挑発してゆくメンバーたち。気持ちを荒らげながらも、しっかりと歌詞に綴った想いを届ける姿勢が嬉しい。2人に「この声が聞こえますか」「僕らは走り続ける」と煽られ、声を張り上げ想いをぶつけ返す人たちもフロアのあちこちに登場。歌い続ける意思を突きつける2人の姿に強く共鳴した人たちが、同じように声を張り上げ想いを返していた。とても感情的な歌声だ。悲痛なように見せて、そこには、前を向く強い意思と力が漲っている。だから、病ンドルのライブに触れていると気持ちが熱くなれるんだ。



https://twitter.com/yandoll_tokyo
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来瞳舞夢

魂を燃やしてこそ輝きを増す来瞳舞夢、その姿はいつ見ても眩しい。

 

 魔界の歌姫こと、来瞳舞夢が登場。ライブは、冒頭から荒々しくけしかけるように『モザイクロール』を歌い、スタート。楽曲は唸りを上げて疾走する。その曲の上で、来瞳舞夢は胸の内に溜め込んだ想いを少しずつ。でも、曲が進むごとに感情のストッパーをどんどん緩め、沸き立つ想いを次々と吐き出してゆく。歌唱力には定評のある歌い手のように、1曲の中で表情豊かに声が変化してゆく様に耳や心がすーっと惹かれていた。

  光を放ちながら疾走する楽曲に乗せ、魂を解き放つように、彼女はカバー曲の『白い雪のプリンセスは』を熱唱。甘くねだるような歌声の中にも、強い意思や、病んだ黒い熱情が見え隠れしてゆくのも来瞳舞夢らしいスタイルだ。心を高揚へと導くサビ歌に触れていると、彼女と一緒にどんどん高みをめざして駆け上がる気持ちになれる。癖になる歌声が、胸にねっとり絡みつく。その声に触れていると,その世界へどっぷりと溺れてしまいたくなる。

 1曲ごとに多彩な曲調を見せる、来瞳舞夢。続く『#限界あいどる』では、チャーミングなアイドルらしい、キュンと胸をくすぐる曲をプレゼント。彼女自身、かわいらしい歌声でせまりながらも、そこからオラオラと煽る姿が見えてくるのは、来瞳舞夢自身の本質が熱いロックなイズムに満ちているから?!とはいえ、笑顔を浮かべ、胸をキュンキュンときめかせて歌う姿には、やっぱしチャーミングという言葉を送りたい。隠せないオラオラとした姿勢を持って甘キュンな姿を見せるからこそ、その奥深さに吸い込まれてゆく。

 最後に来瞳舞夢は、熱情した歌声から幕を開ける『Hysteric Bullet』を熱唱。まるでサビ歌始まりのアニソンのような展開が、気持ちを嬉しく騒がせる。来瞳舞夢も、スリリングさを持って駆ける楽曲の上で、情熱を抱いた真紅の踊り子へと変身。パワフルな楽曲と感情をシンクロしながら、凛々しい姿で、ダイナミックに歌い踊る姿を見せていた。とても花のあるパフォーマンスだ。その存在感は、一人で演じる舞台劇のように、見ている人たちにいろんな感情の景色を見せてゆく。魂を燃やしてこそ輝きを増す来瞳舞夢、その姿はいつ見ても眩しい。



https://twitter.com/maimu_db
https://kusarioni.wixsite.com/maimukurume


東京セラフィム

まるで恋人のように、思いきりおねだりしながら甘えだす。そのかわいいアプローチは、嬉しい罪だ。

 

 「世界を救うため東京に降臨した救済系熾天使アイドル」こと、東京セラフィム。彼女たちも、今やすっかり「ぱわそ」の常連グループだ。
  
  彼女たちは、この空間にキラキラとした甘い輝きを降り注ぐように『さよならbunny』を歌いだす。思いきり甘えたモードの恋する女の子に心を染めあげた3人が、愛しい"キミ"に向け、まるで恋人のように、思いきりおねだりしながら甘えだす。そのかわいいアプローチは、嬉しい罪だ。"キミ"だからと、一人一人の心を支配し、ハートをギュッとつかむようにせまる。その姿に胸がときめかないわけがない。今宵も、東京セラフィムのライブにメロメロに落ちてしまいそうだ。

 止まることなく、ライブは『オレンジ』へ。さらにキュンキュンと胸を弾ませ"かわいい"のパワーをアップしながら、彼女たちはフロア中の人たちのハートをドキュンと落としてゆく。東京セラフィムの歌うラブソングはどれも、見ている人たちのハートをグッとつかむようにせまりくる。けっして激しいわけではない。むしろ、恋する女の子の甘い感情に、甘いシロップをどんどん継ぎ足してゆくようだ。その誘いに触れてしまったら、とことんまで甘く落ちてゆくしかない。いや、もっともっと甘い誘惑に落ちていきたいし、その甘さに浸り続けていたい。

  『ラブ♡ストラテジー』では少し切ない表情も覗かせながら。でも、力強くカラフルに弾けるダンスビートの上で、3人は、この曲でも"キミ"に全力で愛してるの想いをぶつけてゆく。3人に真正面から、しかも照れることなく大胆に「好き」のアプローチを受け、きっと最前列で熱狂した声を張り上げていた人たちは、気持ち破裂しそうだったのでは??少し離れた距離で見ていても、その甘く・明るく・積極的にせまる姿に触れていると、思わず「好き」と言葉を返したくなるほどだったもの。

 最後に東京セラフィムは、『天上天下ラブソング』を元気いっぱいに歌唱。舞台の上で思いきり弾けた姿は、まるで打ち上げ花火のよう。真昼に打ち上げても強烈な存在感を放つくらい、ギラギラとしたパワーでせまる3人。その熱い刺激に誘われ、「楽しい」気持ちがどんどん脹らみ続ける。やっぱし今回も、東京セラフィムのかわいいパワーにずっとメロメロになり、ハッピーな気持ちに染まり続けていた。今宵もそのかわいさと楽しさにずっと救われていたよ。



https://twitter.com/tokyo_seraphim
http://tokyoseraphim.com/


早坂七星

みんなでドリーミーな世界を作りあげる、この時間、この瞬間をくれる早坂七星のライブ、やっぱ最高だ!!

 

 今や、すっかりレギュラーメンバーとして定着した、早坂七星。彼女がどんな楽曲をカバーしてくれるのかも、毎回のライブの楽しみの一つ。

まずは『おうちデート』を歌いながら、彼女はこの場にいる人たちをデートへ誘い出した。フワフワッと空に漂う雲のような、淡く、甘い歌声や仕種。何より、奥ゆかしいのに、好きという気持ちを隠せずに、気持ちが積極的になってゆくその姿へ触れるたびに、胸がキュンキュンしてゆく。彼女に「だーい好き」や「好き好き好き」と歌われるたびに、その甘えた「好き」の言葉を思いきり抱きしめたくなる。

 続いて披露したのが、初音ミクの『愛して愛して愛して』。もしや今回の早坂七星のライブ、胸の内に抱いた恋心を、いろんな表情を通して伝えようとしている??『愛して愛して愛して』では、闇/病み属性の女の子に自身を染めあげ、少し狂気じみた仕種や歌声で、見ている人たちに臨場感を持った姿でせまってきた。まるで一人舞台を見ているように1曲ごとに巧みに人格を変え、その曲のヒロインへ完全に憑依していく。だから、その姿から目を離せなくなる。その歌声やパフォーマンスを、一つとして逃すことなく心に焼きつけたくなる。完全にヒロインに成りきる憑依型のライブを見せてゆくのも、彼女自身に高い表現力と優れた歌唱力があるからだ。

   MCになると、今にも壊れそうな儚さを持っているのに、歌いだすと人格が変わるところも早坂七星の魅力。次に披露したのが、アニソンカバーの『catch You catch me』。とても爽やかシンフォニックで甘メロな楽曲が、早坂七星にはとても似合う。ちょっと甘えた素振りで歌う姿が、胸をキュンと騒がせる。衣装の背中に付けた小さな二つの天使の羽根が、この曲を歌っている間中、ずっとパタパタと羽ばたいていたような錯覚を覚えるくらい、舞台の上で軽やかにスキップをしながら歌う早坂七星の姿が胸をキュンキュンときめかせていた。

 この日の早坂七星は、最初と最後をオリジナル曲で固めてきた。最後に届けたのが、キラッキラのときめきと、胸キュンの衝撃を届ける『息切れシューティングスター』。あえて舌ったらずに、甘えた素振りで歌うたびに、その愛らしい姿へ心がメロメロにとろけてゆく。ハート落ち絶対確定のサビ歌には、触れるたびに胸がキュンキュン高鳴り続ける。ドキドキがずっと止まらない。息切れしそうだけど、このときめいた時間をずっとずっと抱きしめていたいから、限界まで楽しんじゃう。落ちサビでは、フロア中の人たちが、早坂七星の前に集まりケチャをしてゆく場面も登場。みんなでドリーミーな世界を作りあげる早坂七星のライブ、やっぱ最高だ!!



https://twitter.com/chaossu_07


nem仔

感情のパッテリーから全部の熱を放電しながら、nem仔は弾けまくるポップコーンのような姿で、ずっとはしゃぎ続けていた。

 

 「関東のセルフプロデュースライブアイドル」として活動中のnem仔。ステージの上に姿を現した時点で、超をいくつも並べたくなるくらいのハイテンション状態だ。

 ライブは、眩しい青春の景色へ連れ出すように『むちゅう病』を歌いながら、スタート。nem仔自身が、フロアにいる人たちへ甘えた素振りをみせながら、一緒に、今しか作れない素敵な時間を作ろうよと誘いかけていた。

 続く『自昼夢ジレンマ』では、かわいい仕種を見せながら歌いだせば、軽やかに、輝きを持って弾む楽曲に乗って、キュンでキュートな笑顔をチャーミングポイントに、nem仔は一緒に楽しもうと誘いをかけてきた。ステージという見えない境界線さえ飛び超え、とても身近な距離で彼女といちゃいちゃしながらはしゃぎあう。そんな風に、一緒に気持ちを高めあう関係でライブを味わえたのが嬉しい。「大好きだよ」「俺もー」のやりとりも最高だ。

  次に歌ったのが、カバー曲の『初恋サイダー』。誰もが知る超アゲでキュンな楽曲の登場に合わせ、フロア中から熱いコールやMIXが飛び交いだす。nem仔のライブはこの日が初見という人も、いつの間にか盛り上がりの中へ参加し、声を張り上げ、熱くクラップをしながら、お互いに初恋にも似たドキドキを分かちあっていた。「うりゃ」「おい」のやりとりも熱ければ、ずっとずっと止まらないこのときめきに包まれていれることが楽しかった。

  この日は、メイド服を衣装変わりに着ていることを報告。次に歌ったのは、アニソンナンバーの『ギターと孤独と青い惑星』。nem仔は冒頭から力強く、パワフルに声を張り上げ、観客たちを煽りだす。楽曲の表情に合わせ、巧みに歌声の感情の色を塗りかえながら、nem仔は楽曲に憑依する姿で、凛々しく、力強い様を見せながら歌っていた。強さの中から甘えた表情や歌声もチラッと見えてくるところも、キュンのポイントだ。とはいえ、がなるようパワフルに歌う姿は、しっかりとインパクトを放っていた。

 最後にnem仔は、デビュー曲の『怪電波@ おやすいみんソング』を愛らしく歌いだした。超超電波した楽曲を、nem仔はキンキンとした声も張り上げ、楽曲の持つマジカルな世界へ、フロアにいる人たちをグイグイ引き寄せる。超絶ノリノリの楽曲に合わせ、フロアでもnem仔と同じ動きをしながらはしゃぐ人たちも数多く登場。感情のパッテリーから全部の熱を放電しながら、nem仔は弾けまくるポップコーンのような姿で、ずっとわちゃわちゃとはしゃぎ続けていた。


https://twitter.com/ni_0116


小粒

小粒の釣り竿の動きに合わせ、フロア中のマグロたちが左右に民族大移動してゆく様は、いつもながら圧巻だ。

 

 「ぱわそ」唯一の皆勤賞。「寿司ソロアイドル」の小粒の登場だ。彼女は、舞台へ姿を現すなり、フロアの後ろにいた人たちを前へ前へと集めだす。今宵の一貫(曲)目として手にしたのが、『びっくり経典!神様マヨコーン』。途中にトーキングラップも交えつつ、ねっとり絡みつくファンキーチューンの上で、小粒はずっと軽やかにステップを踏みながら、フロア中の人たちをガリガリに巻き込むパワフルなパフォーマンスを見せていた。ほんと、いつもながらパワフルで、最上級の笑ガリ…笑顔を見せてくれるアイドルだ。その笑顔に触れていたら、同じように大きな笑ガリ…笑顔になれる。

  今日も、ずっとハイテンションの小粒。二貫目として歌ったネタ(曲)が、『しゃけなベイべー』。キラキラとした輝く音符が、この空間に降り注ぐ。キュートなダンシングクイーンに気持ちを染めあげた小粒は、ステージの上を最高の一人舞台の場に染めあげ、軽やかに歌い、舞い踊っていた。その姿に向け、フロア中からエールのように起きた熱いクラップ。サビ歌では、みんなで大きく手を振りながら一体化した景色を作りあげる。この楽しさ、イクラだって味わいたい。

  三貫目として手に取ったのが、『進め!マグロちゃん』。この曲では、寿司ネタを手に取るのではなく、みずから寿司ネタを仕入れようと楽曲の漁船へ乗り込み、ステージの上から歌の釣り竿を投げ入れ、フロアという海で回遊するマグロ(観客)たちを、トロリーングしながら次々と釣り上げていた。フロアという大海原から「マッグロ マグロ マグロっちゃ~ん」の声が飛びかうのも、今やお馴染み景色だ。小粒の釣り竿の動きに合わせ、フロア中のマグロたちが左右に民族大移動してゆく様は、いつもながら圧巻だ。

  やはり、この曲を聴かないと小粒のライブは終われない。シメの四貫目として手にしたのが、『エビ海老Everyday!』。曲が始まったとたん、フロア中から口上が飛び交えば、場内のアチコチから赤いペンライトの輝きが高く上がり、小粒の動きに合わせて大きく揺れ続けていた。この曲が流れるたびに、フロアに真っ赤な輝きの波が生まれるのが嬉しい。その様を見るたびに、今日も大漁旗がはためくのかなと嬉しくなってしまう。間奏では、「勝ち抜きジャンケン大会」を行い、勝者にデカチェキをプレゼント。そういう遊び心をいつも仕込んでくるのが、隠し味の大好きな小粒らしさ。ホント、えらつぶーだ!



https://twitter.com/KotubuKosian


アイアイタイガー

カラフルな楽曲に乗せて無邪気にはしゃぐ5人の姿に、僕らは最初から征服されていた。

 

 トリを飾ったのが、「ぱわそ」ではお馴染みのアイアイタイガー。舞台の上で円陣を組んだ彼女たちは、流れだした『トレジャーマイラブ』を合図に前を向き、力強く拳を振り上げて歌い出した。とても気合と気迫の漲るパフォーマンス姿だ。その歌声は、身体中にキラキラとした恋心を降り注ぐ輝きに満ちていた。彼女たちの眩しい刺激に気持ちを熱くした観客たちが、声を張り上げて騒ぎたす。この空間の中、5人との距離をぐんぐん近づけたい。ともに声を張り上げ、拳を振り上げて叫べる。その一体感が最高じゃない。

  少しだけ季節を戻しながら、切ない別れさえも、互いに前へ向く力へと変えるように、5人は力強く、胸に希望を抱きながら『ソメイヨシノ』を歌っていた。切なさや悲しさに暮れるのではなく、別れさえも、互いに新しい景色に向けて前を向く力へ変えるように、彼女たちは揺れ動く心模様を届けてくれた。前向きな別れや旅立ちだからこそ、5人の歌声やパフォーマンスにも輝きが満ちていた。5人が物語の世界へ身を任せながら歌う、そんな彼女たちが見せてくれた物語にどっぷりと浸っていたい。

 横一列に並んだメンバーたちが、前の人の肩に手を寄り添える。『キミ征服』の登場だ。5人は、熱したポップコーンのように、カラフルな楽曲に合わせて元気いっぱいに弾けていた。舞台の上で、とびっきりの笑顔ではしゃぐ彼女たちの姿や歌に触れていると、このままハートを全部彼女たちに征服されたい気分だ。いやいや、カラフルな楽曲に乗せて無邪気にはしゃぐ5人の姿に、僕らは最初から征服されていた。

  最後にアイアイタイガーは、元気いっぱいに『エクスプローラー』を歌唱。曲調や歌詞の内容は異なれ、この日届けたどの楽曲も、眩しい輝きに満ちていた。カラフルな魅力を詰め込んだ5つの個性が、真っ白なカンバスの上に、5つの色を用いていろんな組み合わせで物語を描きだす。 たから、ずっとずっと気持ちが騒いだまま、彼女たちの描く絵の完成図をワクワクしながら見ていたし、その絵に必要な色となり、一つ一つ(1曲ごと)の歌のカンバスに描きだされるキラキラとした景色を一緒に描き続けたい。良ければまた、5人の描く素敵な物語に参加したい。そして、共にその絵に少しだけ華やかな色を描き加えたい。5人が、「スポットライトの射すほうへ」と力強く歌う姿も眩しかった。


https://twitter.com/_AIAITIGER


  次回の「ぱわそ(THE POWER SOURCE) vol.8」は、7月5日にSHIBUYA DESEOにて開催。
出演者は、夢現シンクレティズム / ルノアエクラ / もふる×クロス / RESELA / 東京セラフィム / 小粒

こちらにも参加し、この楽しさを存分に味わおうじゃないか。

TEXT:長澤智典
PHOTO:つぶたろ

★インフォメーション★

【タイトル】#ぱわそ(THE POWER SOURCE) vol.8
【日程】2023年7月5日
【会場】SHIBUYA DESEO
【時間】OPEN 17:50 START 18:10
【料金】事前予約 ¥2,500 当日 ¥3,000-(1D別)
【出演】夢現シンクレティズム / ルノアエクラ / もふる×クロス / RESELA / CUBΣLIC / d-girls  / 東京セラフィム / 小粒
【予約】https://tiget.net/events/253597


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