2023.11.22
JAPAN HEAVY METAL FANTASY 2023【BAHAMA STILLALIVE 1963-2023】 NEWS
2023年10月29日(日)にGORILLA HALL OSAKAにてイベント<JAPAN HEAVY METAL FANTASY 2023【BAHAMA STILLALIVE 1963-2023】>が行なわれた。
これは大阪の有名なライブハウス“バハマ”の生誕60周年を記念し、バハマのスピリットを、今に伝え、そして未来へとつなげていくために、EARTHSHAKERの石原“SHARA”愼一郎がオーガナイザーとなって開催が決まったもの。
ライブハウス“バハマ”とは、大阪の心斎橋にあった老舗のライブハウス。開店したのは1963年10月29日。
オーナーである藤田淑子さんの体調不良により2006年11月に閉店したものの、ハードロックやヘヴィメタルバンドを中心に多くのミュージシャンが、バハマでしのぎを削り、実力を磨いてきた。その後、メジャーへ進出したバンドも数多い。
オーナーの藤田さんは通称「バハマのおねえ」として、将来性あるバンドやミュージシャンを叱咤激励。
同ライブハウスに出演するミュージシャンや関係者から信頼され、バハマに通っていたお客さんから今もなお愛されている存在でもある。
バハマの誕生日である10月29日に開催された今回の60周年イベントには、藤田“バハマのおねえ”淑子さんの申し子とも呼べる出演バンドが集結。
もちろんチケットは瞬く間にソールドアウト。今まさに、ヘヴィメタルのファンタジーの幕が開くときが来た。
16時、会場の暗転と同時に青白い照明で浮かび上がるステージ。SE「虹融合」と共に表われたのはGargoyle。
現在の正式メンバーはKIBA(Vo)だけだが、今回のイベント開催にあたり、過去に在籍したメンバーがヘルプとして参加。
その顔ぶれは、KIBA、KENTARO(G)、TOSHI(B)、KATSUJI(Dr)。黄金のラインナップが5年ぶりに蘇った。
歓声をかき消すがごとくKENTAROが激しくリフを弾き始め、それを合図にKIBAが勢いよくステージセンターに飛び出した。
「HALLELUYAH」からスタートしたGargoyleのステージは、客席前方は椅子席になっていたが、座っている者は誰一人いない。
Gargoyleの曲と音に狂喜乱舞する光景が広がる。それを前にメンバーも嬉しさ全開。音のひとつずつ、言葉の一言ずつに自然に喜びがこもり、さらに激しくスパーク。
TOSHIはドラムライザーに足を掛け、KATSUJIとアイコンタクトしながらリズムを刻み、KENTAROは高速タッピングを笑顔で決め、KIBAは激しい舞踏も繰り広げながら歌う。
ラインナップも黄金期だが、ライブパフォーマンスや演奏の鋭さ、メンバー間の呼吸も全盛期そのまま。
「僕らは1987年7月15日に初めてバハマでライブをやって、そこから36年、解散や活動休止もなく、ひたすらライブをやっています」━━KIBA
しかし、冒頭で触れたように、5年ぶりに蘇ったこのラインナップだ。これに関して「分かる人にはすごいごちそう」とKIBA。
各メンバーも今回のイベントやバハマについて言葉を重ねる。「10代のときに観ていたイベントに、今、なぜかステージに立っているみたいな感じ」とKENTARO。
「初めてバハマに行ったのは10歳ぐらい。バハマに育てられたと言っても過言ではないぐらい」とKATSUJI。
「楽屋もさることながら、そちらもけっこう(年齢層が高い)な感じで(笑)。最初のバンドで燃え尽きないでね」とはTOSHI。
「これから出られるバンドのみなさんを、高校生ぐらいのときに観て、ヘヴィメタルを初めて知った。
みなさんのおかげでGargoyleをやることができて、バハマのおかげでこうやって36年も活動できています」とKIBA。
そう感謝を伝えながら、「完全な毒を要求する」など、このラインナップだった時期に制作した曲を軸に会場を揺るがす。
KIBAは「やれんのか、オマエら!」と吠え、オーディエンスを激しく刺激しながらエンディングまで突き進んだ。
LEDの仕込まれたアクリルシェルのドラムセットが鮮やかに光る中、SEと共に登場したのはPRESENCE。
しかし今回のイベント開催決定後の今年7月29日、PRESENCEのギタリストである白田“RUDEE”一秀がこの世を去ってしまった。
出演が不可能とメンバーが決めたところ、石原“SHARA”愼一郎の「俺が弾く」の言葉に助けられ、PRESENCEとしての出演が決定した。
その昔、白田“RUDEE”一秀は石原“SHARA”愼一郎のローディを務めていた時期もあり、いわば師匠=SHARA&弟子=RUDEEという関係。
師弟愛の深さが、今回のステージ実現に結びついている。ホールのロビーには白田“RUDEE”一秀の写真パネルと愛用ギターたちも飾られ、
PRESENCEのステージ上にもやはり大きな写真パネルと愛用ギター。
他界してしまったものの、白田“RUDEE”一秀の魂はきっとここにいる。
すでに胸が熱くなっていたPRESENCEファンに、「大阪、行くぜ!」とSHIGERU(Vo)の言葉を合図に始まった「Rock Drive」。
PRESENCEが全国的に名を知られるきっかけにもなった、1985年の全国ツアーに合わせて作られたソノシートに収録された曲のひとつだ。
PRESENCEの生誕ストーリーを描き出しながら、持前の軽快でポップなロックンロールで身も心も踊らせていくPRESENCE。
最初はセンチメンタルなムードになっていたであろうファンも、PRESENCEのライブが始まれば笑顔だ。
表情を輝かせるファンを前にして、SHIGERUも岡本“HIBARI”浩明(Dr)も、そして師匠の石原“SHARA”愼一郎もサポートのJUN(B)も嬉しさいっぱい。
サポート・ベースのJUNは、バハマをホームグラウンドに活動していたValentine D.C.のベーシストだが、その前にはPRESENCEのローディも務めていた。
今回、都合により参加できなかった恩田“RADY”快人に代わってベースを弾いているが、手にするのは恩田から預かったRADY MODEL。ここにも熱い師弟愛が存在する。
「バハマ、おめでとうございます。お世話になりました。あそこは生音でしか勝負ができなくて、最高の修行の場所でしたね。
だからどこのライブハウス行っても、全然、ラクだった。本当に鍛えていただいて。
こんなでっかいところで、こんなにバハマを祝ってくれる人たちがいるとは、お姉さん、良かったですね」━━SHIGERU
そう言いながら、白田“RUDEE”一秀の写真パネルを指さしながら「白田もいることだし、この曲」と、白田の華やかなギタープレイもちりばめられたロックンロール「ROCK ME」をみんなで楽しむ。
「RUDEEも観てくれていると思うよ。今日、ステージに立つことになれたんで、精神的にも状況的にも、この曲はやっぱりやっておきたい」━━SHIGERU
そんな言葉で広がるのはバラードの「蜃気楼」だ。ミラーボールの光の粒が綺麗な夜空を思わせる光景を描き、その中で歌うSHIGERU。
歌ううちに、永遠の別れとなってしまったRUDEEのことも重なり、感情も入っていくばかり。
目をやや潤ませ、マイクを両手で握りしめ歌う姿がそこにあった。
さらに石原“SHARA”愼一郎のビブラートをきかせた泣きのギターソロが、ファンを曲の世界へと深く浸らせていく。
エンディングでは感動と感謝の大きな拍手がPRESENCEを包み込んだ。
「途中で歌えなくなっちゃった、まいったね。SHARAさん、白田のギター弾いてみませんか?
白田はギター鳴らしてほしいと思ってるはず。RUDEE、観てるか、聴いてるか!」━━SHIGERU
天を指さしながら突入したのは「ROCK'N ROLL」。上半身ハダカになって叩く岡本“HIBARI”浩明、赤黒タイガーストライプ柄のストラトシェイプでRUDEEサウンドを高らかに鳴らす石原“SHARA”愼一郎、恩田のごとく頭を振りながら弾くJUN。
SHIGERUがマイクを向けると、会場からはでっかい歌声。二階席ではKIBAも衣装のまま大声を張り上げている。
みんながひとつになって鳴らすPRESENCE流ロックンロールは、間違いなく届いていたはずだ。
次にバトンを渡されたのはMARINO feat.YOSUKE MIYAKE。
EARTHSHAKERや44MAGNUMらと共に80年代初期に“関西3大メタル・バンド”と称されたヘヴィメタル・バンドだ。
1985年に活動を休止したが、2002年に復活。2008年にはEARTHSHAKERと44MAGNUMと共に、あの時代を彷彿とさせる<JAPAN HEAVY METAL FANTASY~関西なぐり込みギグ2008~>を中野サンプラザで成功させてもいる。
だが2002年9月19日、ギタリストと大谷“RAVEN”令文が他界。以降、活動は休止している。
このイベントが一夜限りの復活だ。ギターを弾くのは大谷“RAVEN”令文の後輩であり、元Terra Rosaの三宅庸介。
フランク・マリノ&マホガニー・ラッシュの「World Anthem」をSEに登場した板倉“JUN”淳(Dr)、鎌田“Mr.KAMADA”学(B)、三宅。
最後に右腕を挙げながら吉田“LEO”隆が姿を表わすと同時に、彼らはバンドサウンドをとどろかせた。
地響きのような重厚ぶりに、会場を埋めた男たちから歓声も巻き起こる。
「Midnight Believer」 で幕を開けたステージは、「Roll to Death」など1984年のデビュー・アルバム『TARGET』を中心に展開する。
その時期から約40年、長い時間の経過は、メンバーそれぞれの年齢を重ねた風貌に表われている。だが、吉田“LEO”隆のストロングな歌いっぷりは、当時より凄みに拍車が掛かる。
今やベース仙人のようなルックスの鎌田“Mr.KAMADA”学のアグレッシヴなプレイ、ラディックの巨大なツーバスのセットを軽々と叩く板倉“JUN”淳のドラミング。
“ストラトキャスターの魔術師”と呼ばれた大谷“RAVEN”令文のプレイを重んじながらストラトを弾く三宅庸介。
MARINOのサウンドや曲は、当時、日本のバンドのスケールを超えていた。
今、目の前で鳴らされるサウンドや曲も、曇りはない。
「MARINO、復活しました! ステージに立てたのも、このイベントのおかげ。EARTHSHAKERのSHARA、本当にありがとう。
天国のRAVEN聴こえてるか? オマエの後輩、こんな凄いギター弾いてるぞ」━━吉田“LEO”隆
喜びも炸裂させながら突き進むMARINOのステージ。中盤に「Shake Down」が披露され、吉田“LEO”隆の煽情的なメロディを持つ歌に、ブリティッシュ・ヘヴィメタルの鋼鉄感がひとつになると、会場の男たちを当時のメタルキッズへと一気に若返らせる。
なにしろこの曲、1984年に大阪城野外音楽堂で開催された伝説のメタルイベント「GRAND METAL 5TH JAPAN HEAVY METAL FANTASY」でも演奏されたナンバー。
恐らくそれを体験したオーディエンスも多いのだろう。MARINOの「Shake Down」に覚醒され、当時が蘇ったのだ。
「みんなの熱い気持ち、伝わってきたぜ!」━━吉田“LEO”隆
ラストを締めくくるのは「MARINOを結成して1曲目に作った曲で、いつもアカペラでやっている」というナンバーだ。
そんな曲などMARINOにはないのだが、続けて吉田“LEO”隆が口にしたマジックワードは“ツ・ヨ・イ”だった。
となれば、あれしかない。当時のジャパニーズ・ヘヴィメタル・ファンなら誰もが知るMARINOの名曲である。
そのナンバー「Impact」に突入するや、辺りはヘドバンの嵐と化す。哀愁と男臭さ、そして力強さとメタリックぶり。
サビで吉田“LEO”隆が「強い!」と歌えば、もちろん全員で「インパクト!!」と叫ぶ。まさに狂喜乱舞のステージとなった。
熱くなっている会場に、次に現れたのは44MAGNUM。幕が開くと、真っ赤なライトを浴びたメンバーがすでにステージでスタンバイし、腕を上げたり、客席を指さしたりと、登場シーンからクライマックスのようなテンション。
直後、宮脇“JOE”知史(Dr)のフレーズを合図にバンドサウンドを一発決め、広瀬“JIMMY”さとし(G)のリフで始まったのは「I'm on Fire」。
やや腰を落として勢い溢れるフレーズを弾く姿、腕を振り回してコードをかき鳴らす姿など、どれもがフォトジェニックな広瀬“JIMMY”さとし。
放つオーラが凄まじいのは梅原“PAUL”達也(Vo)。愛息のSTEVIE(Vo)を横に連れて、親子で歌い叫ぶ。
「アタマ振れ、大阪!」とSTEVIEが煽り、親子でヒザまずきながらヘッドバンギングしながら「No standing Still」を喰らわせる。
梅原“PAUL”達也の体調もノドの調子も万全ではないのは誰もが分かっているが、パーキンソン病と闘い続け、ステージで歌い続ける姿に、自然と熱いものもこみ上げてくる。
同時に、梅原“PAUL”達也のスピリットに勇気づけられ、力も湧く。
「今日だけは、ここはバハマだ! 目いっぱい、楽しんでいこうぜ!!」━━STEVIE
「オーライ、大阪! イケんのかい!!」━━梅原“PAUL”達也
呼吸もバッチリな煽りを入れながら次々に進む44MAGNUMのステージだが、まずセットリストがヤバい。1983年のデビュー・アルバム『DANGER』、1984年のセカンドアルバム『STREET ROCK'N ROLLER』、
そして1985年のサード・アルバム『ACTOR』から選りすぐるという、いわば44MAGNUMの初期に限定したもの。
オーディエンスにとって青春の全てが詰まった曲ばかりだ。フレーズのひとつずつ、歌詞の一言ずつ、全部がみんなのDNAに入り込んでいる。
腕を振り上げ、頭を振って、44MAGNUMに食らいついていくのみ。
「Satisfaction」では、トリルを決める広瀬“JIMMY”さとしと歌う梅原“PAUL”達也がピッタリと寄り添うという、80年代に音楽雑誌を彩ったクールな構図が。
当時のキッズには、イベントがスタート直後から今日は大ごちそうのオンパレードでもある。
また現在、デビュー40周年を記念して<44MAGNUM-40th Anniversary Club Circuit GIG->を展開中の44MAGNUM。精力的なライブは常にバンドを成長させるもの。
「Last Train」の中盤では、宮脇“JOE”知史のツーバスフレーズに、ゲストベーシストのSEXX GEORGEが力強いフレージングで絡みながらヘヴィな見せ場も作る。
さらに続く広瀬“JIMMY”さとしのギターソロでは、スイープなども交える。そして若き日の梅原“PAUL”達也を連想させる声質や勢いある歌いっぷりで、梅原“PAUL”達也と一緒になってオーディエンスをエキサイトさせるSTEVIE。
往年の名曲をただ再現するのではなく、今の44MAGNUMによって現在進行形の楽曲へと激しく躍動させていった。
ラストナンバーとなったのはセカンドアルバムからの「STREET ROCK'N ROLLER」 。
広瀬“JIMMY”さとしのアームダウンのノイズが響く中、STEVIEがタイトルコールすると、
広瀬“JIMMY”さとしがリフを刻み、そこにSTEVIEと梅原“PAUL”達也が雄たけびをかぶせていく。
あとはもう勢いたっぷりに疾走し、尖ったフレーズでメンバー全員が攻め立てる。これにはオーディエンス全員、10代に戻ったかのように激化するのみ。
サビではメンバーと共に叫ぶようにコーラスを入れ、熱く一体化。
「THANK YOU! WE LOVE YOU!!」
梅原“PAUL”達也の感謝の言葉が、オーディエンスの心をさらに震わせた。
今回のイベントのトリを務めるのは、オーガナイザーである石原“SHARA”愼一郎(G)が率いるEARTHSHAKER。
2023年にデビューから40周年を迎え、現在、最新アルバム『40』の全国ツアー中でもある彼ら。まさに脂の乗った状態である。
彼らの曲から印象的なフレーズをフィーチャーしたSEをバックに登場すると、大きな歓声と拍手がEARTHSHAKERを迎えた。
EARTHSHAKERが記念すべき今回のイベントに選んだ1曲目は、1983年のファースト・アルバム『EARTHSHAKER』からの「EARTHSHAKER」だった。
イントロリフと同時に、ありとあらゆるところからコブシや腕が上がり、壮観な光景が会場に広がる。
リフの一音ごとに熱さもボルテージも上がり続けるオーディエンス。西田“MARCY”昌史(Vo)が歌い始めた直後、全身と気持ちが揺さぶられることになった。
全国ツアーを前にアルコールを断つなどストイックな姿勢でライブに臨んでいる西田“MARCY”昌史。その歌声は、男の色気を含みながらも実に力強い。
西田“MARCY”昌史の歌は、オーディエンスの気持ちにこだまして、「EARTHSHAKER」の歌詞のごとく力を与えてくれる。
EARTHSHAKERの鳴らすバンドサウンドに歓喜の掛け声と歌声が起こり続ける会場と化した。
デビューから40年、結成から40数年、未だに現役バリバリなEARTHSHAKERがステージにはいる。
演奏や曲をただ披露するのではなく、甲斐“KAI”貴之(B)や工藤“KUDO”義弘(Dr)、永川“TOSHI”敏郎(Key)はもちろん、
石原“SHARA”愼一郎もプレイしながら100万ドルの笑顔もプレゼントしていく。
ファンひとりずつと表情で会話するようなやり取りや、一方通行ではないライブパフォーマンスこそ、キャリアを重ねたライブバンドらしい部分だろう。
「楽しんでいますか? バハマですよ、バハマ! 凄いとこなんだぜ。みんなが愛した80年代のジャパメタ。
バハマがなかったら、バハマに出演したみんながいなければ、あんなムーヴメントは起こっていなかったんだから。
ホント、凄いところだったと思います。SHARAがバハマのカウンターの中で焼きそば作っていたからね(笑)」━━西田“MARCY”昌史
「44MAGNUMのメンバーは、僕の焼きそばで大きくなったみたいなもん。また作ろうか?」━━石原“SHARA”愼一郎
そう言いながらステージ袖で観ている44MAGNUMのメンバーに視線をやって笑う二人。
「僕とKAI君は1979年に初めてバハマに出ましたね。いや~、年取るわ(笑)。もう2023年だよ。
EARTHSHAKERも44MAGNUMもデビューして40年目を迎えます。バハマで頑張っていた頃を含めたら43年か44年。ふざけんなって数字ですね(笑)。
でも、まだまだツアーは続いてます」━━西田“MARCY”昌史
そう言って、最新アルバム『40』からの「HEY! Mr.JOKER」を披露するEARTHSHAKER。
馴染みはないだろうけど、と西田“MARCY”昌史は曲について前置きしたが、バンドも現役ならファンだって現役バリバリである。
最新曲でもノリは熱いまんま。そこから印象的なギターのイントロ・フレーズに入っていくと、その熱さに大きな歓声も加わる。
西田“MARCY”昌史が「イクぜ!」と叫んで、「MORE」のAメロに入ると、会場にいる誰もがシンガロング。
それがひとつになって、今度は大きな歌声が会場を揺るがし始めた。ナイフこそ握りしめてはいないだろうが、それぞれが18の日々を蘇らせていく。
オーディエンスそれぞれの人生に並走する想い出も自然に湧きあがってきたのかもしれない。
涙をにじませながら歌うファンもあちこちに。名曲にはそうさせてしまうパワーもある。
「でかい声で歌おうぜ!」━━西田“MARCY”昌史
ラストを締めくくるのは「RADIO MAGIC」。その開放感溢れるメロディやサウンドが、今度はみんなを見る見るうちに笑顔にさせていく。
もちろんメンバー全員、そんな表情を浴びながら、心地よくさせてくれるフレーズや歌声をどこまでも響かせ続けていく。
中盤では「さあ、君らの番だぜ!」と西田“MARCY”昌史がマイクを客席に向ければ大合唱も。
みんなの歌声と共にEARTHSHAKERのステージはエンディングに向かっていった。
鳴りやまないアンコールに答え、まずステージに再登場した西田“MARCY”昌史を除くEARTHSHAKER。
「ここでゲスト。コイツともよく飲んだんよね。飲むとタチ悪くなるヤツ。僕がバハマでバイト終わって、そいつと二人乗りして僕の家に帰って飲む。青春やな~。
そんな素敵なギタリスト、JIMMY! もう一人、高校からの同級生で、僕の弁当をよく食べに来たおっさんがいます。
素っ頓狂な声を出す素晴らしいシンガーを紹介します。ニイちゃん!」━━石原“SHARA”愼一郎
ステージには、広瀬“JIMMY”さとしと二井原 実も登場し、始まったのはLOUDNESSの「CRAZY NIGHT」。
サビでは当然、オーディエンス全員から「M,Z,A!」の大コーラスが巻き起こり、石原“SHARA”愼一郎がエモーショナルにソロを弾いたと思えば、ゴールドトップのレスポールモデルを手にする広瀬“JIMMY”さとしは高速フレーズを弾きまくる。
二井原 実は持前のエンターテイナーぶりでオーディエンスを熱狂させ続けた。
2曲目ではメンバーが入れ替わり、出演バンドの全シンガーが勢ぞろい。演奏するのはBON JOVIの「Livin' On A Prayer」。
なぜ、このメンツで、このイベントで、この曲なのかと思ったが、「多分、本能的に歌えるかなと思って選びました」という二井原 実の選曲である。
世代もあってか、オーディエンスも含めてほぼ全員が歌う中、KIBAは盛り上げ役に終始。
ともかくJAPAN HEAVY METAL FANTASY 2023は、どこまでも熱く、そして温かい。最高の幸せに誰もが包まれた。
「バハマ、どうもありがとう。バハマがないと俺たちは今、ここにいないと思います。
そしてバハマがなかったら、今ごろは日本のロック界は全然違った風景になったと思います。
心より感謝します。バハマ、どうも、おおきに!」━━二井原 実
カメラマン 西木義和
ライター 長谷川幸信
JAPAN HEAVY METAL FANTASY 2023 【BAHAMA STILLALIVE 1963-2023】
2023年10月29日(日)=GORILLA HALL OSAKA
SETLIST
■Gargoyle
1 「HALLELUYAH」
2 「Dragon skull」
3 「影王」
4 「完全な毒を要求する」
5 「死ぬこととみつけたり」
■PRESENCE
1 「Rock Drive」
2 「She is an AMERICAN」
3 「ROCK ME」
4 「蜃気楼」
5 「ROCK'N ROLL」
END SE「ANGEL RUSH~再会の唄~」
■MARINO feat.YOSUKE MIYAKE
1 「Midnight Believer」
2 「Roll to Death」
3 「Break」
4 「Shake Down」
5 「Rising」
6 「Impact」
■44MAGNUM
1 「I'm on Fire」
2 「No standing Still」
3 「I JUST CAN’T TAKE ANYMORE」
4 「Satisfaction」
5 「Last Train」
6 「The Wild Beast」
7 「STREET ROCK'N ROLLER」
■EARTHSHAKER
1 「EARTHSHAKER」
2 「記憶の中」
3 「HEY! Mr.JOKER」
4 「MORE」
5 「RADIO MAGIC」
■SESSION
1 「CRAZY NIGHTS」(LOUDNESS)
※EARTHSHAKER with 二井原 実、JIMMY(44MAGNUM)
2 「Livin' On A Prayer」(BON JOVI)
※KIBA、SHIGERU、吉田“LEO”隆、梅原“PAUL”達也、STEVIE、西田“MARCY”昌史、
二井原 実、KENTARO、三宅庸介、甲斐“KAI”貴之、工藤“KUDO”義弘、永川“TOSHI”敏郎
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