2024.04.23
Mellows ライブレポート
2本のギターともにソリッドかつヘヴィな、でも分厚い音を響かせていた。まさに、最強の武器を2人とも手に入れたのは間違いない。
Mellowsの2人のギタリスト、GINAとSally。それぞれが異なるギターメーカーのオフィシャルアーティストとなり、2人揃って同じ日にライブでお披露目をすることから、その様を目にしようとライブ会場に足を運んだ。その日が、2月26日(月)に渋谷REXで行われたイベント「Mashup LIVE -異彩SHOWDOWN-Vol.14 streaming by GALPO LIVE SHOW」になる。
この日は、exist†trace/囁揺的音楽集団AsMRも出演。ちなみにMellowsのGINAは、囁揺的音楽集団AsMRのメンバーとしてもライブ出演していた。当日の公演の中から、ここではMellowsのライブの模様をお届けしたい。
GINAが、「G-Life Guitars」社の手によるピンクバーストの7弦ギターを。Sallyが、「DEAN GUITARS JAPAN」の制作したギター(DEAN VENGEANCE SELECT FLOYD FLUENCE CHARCOAL BURST)を手に出演。2本のギターの初お披露目姿を見ようと足を運んだ楽器好きの人たちも、この日は多かった。
GINAが、Sallyが、愛機を手に笑顔で登場。さらにMioが、大きなフラッグを振りかざして舞台へ。ライブは、轟音唸るリフを刻みスタートと思ったところ、いきなり甘い歌へ転調。でも、それこそが熱狂へ導くMellowsらしい合図だった。演奏陣がふたたび激しく音を鳴らし、轟音の洗礼を浴びせだす。冒頭を飾った『秘密closet』では、激烈/甘メロな表情を次々と切り換えながら観客たちを挑発。Mioはヘドバンをしながら歌えば、拳を突き上げ、観客たちをしっかり熱狂の園へ導いてゆく。Sallyの荒れ狂うギタープレイには、壮絶を通り越して、むしろ狂喜を覚える。終盤、GINAとSallyが頭を振り乱し、激烈とした音を刻み続ける。2人の存在感も圧巻だ。
続く『Beat Beast』では、Mellows流のダンスロックを提示。2本のギターが、ここでも激烈な音を轟かせ縦横無尽に暴れまわる。その演奏の上で、ペンライトを手にしたMioが宴を司る司祭のような様で歌い躍れば、フロアでも同じようにペンライトを手にした人たちが暴れ祭る。どの曲もそう、あっと驚く転調を次々と繰り返しては。場面を塗りかえるごとに勢いと迫力を増し、観客たちからどんどん現実や理性を奪い取る。とても攻撃的なのに、親しみやすい。だから、気持ちもカラフルに色づきだす。
メンバーみんながうさぎの耳のカチューシャを頭に装着。『Rabbit Love it!』では跳ねた演奏を軸に据えつつも、激烈なリフとブラストビートの洗礼も浴びせてゆく。CUTE METALを標榜するMellowsらしく、この曲では激しい演奏の上に甘くキャッチーな歌を重ねあせて表現。演奏はとにかく攻撃的なのに、Mioの歌声が、とても耳馴染み良い。間奏では、GINAとSallyが顔を見合せて激烈な音をぶつけあう。Sallyに至っては頭を振りすぎていたのか、いつしかうさぎの耳が取れていた。唸りを上げて猛り狂う2本のギターと、一緒に口ずさみたくなるキッッチーな、でも強烈な存在感放つ歌にずっと惹かれていた。
『Death sentence』の始まりに合わせ、メンバーと観客たちがクラップを始めた。でも、演奏陣が爆裂した音を鳴らして走りだしたとたん、そこにはカオスな空間が広がっていた。2本のギターの音が鉄槌のように振り下ろされる。間奏ではSallyがライトハンド奏法も披露。前屈した姿で激烈なリフを激しく速く刻む2人とは裏腹に、笑顔でペンライトを振りながら、轟音に引けをとらない胸を揺らす歌を届けるMio。その歌唱力にも注目したい。
2本のギターともにソリッドかつヘヴィな、でも分厚い音を響かせていた。まさに、最強の武器を2人とも手に入れたのは間違いない。
重厚な音を響かせたハードロック調の『Pretty guardian』では、Mioがこれまで以上に観客たちをキュートに煽りだす。身体を激しく揺さぶり演奏をするGINAとSally。Mioが掲げた手を大きく揺さぶるたびに、メンバーと観客たちがヘドバンに興じる。とてもキャッチーでプリティーな楽曲だ。歌詞には、強い意志が漲っている。かわいく歌いながらもMioの伝えた強い意志を、GINAとSallyが激しく歪ませた音で、元気よく背中を押していた。
続く『Jumpink!』では、さらに激しさを増したスラッシュ/エクストリームな演奏に乗せ、Mio自身もオラオラと煽るような様で歌い騒ぎだす。サビでは、手にしたタオルを大きく振りかざし、激しく弾む楽曲に乗せ、みんなで飛び跳ねる景色も誕生。ときに、観客たちと身体を激しく折り畳む様を作りあげれば、おらおらと挑発する姿も提示。でも、サビではメンバーらと一緒に拳やペンライト、タオルを振りまわし無邪気にはしゃぐ。極端かつ強烈なめりはりを持った曲展開に、気持ちが嬉しく騒ぎ続ける。
Mellowsは最後に『未完成』を突きつけ、これまで以上に荒々しく観客たちを煽りだす。Mioも、Sallyも、身体を激しく揺さぶり歌い演奏していた。GINAも、攻撃的な姿勢を崩すことなく観客たちを挑発し続ける。Sallyの猛り狂うソロプレイ。いつしか、大きなフラッグを手にMioは歌っていた。その旗の元へ大勢の観客たちが突き上げた拳をエール変わりにぶつけていた。誰もが大きく身体を揺さぶり、熱狂してゆく。最初から最後まで、興奮の止まないライブをMellowsは見せてくれた。
PHOTO:鶴田健吾
TEXT:長澤智典
セットリスト
『秘密closet』
『Beat Beast』
『Rabbit Love it!』
『Death sentence』
『Pretty guardian』
『Jumpink!』
『未完成』
SNS
GALPO! LIVE SHOW
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