FullMooN　NEWS | MUEステ

2025.03.08

FullMooN　NEWS

　FullMooNが、2月22日-24日の3日間に渡り、渋谷GUILTYで新曲を含むFullMooNの持ち歌全70曲を演奏する全曲披露公演、その名も「FullMooN 3DAYS ONEMAN LIVE　今日という日の全曲ワンマンに乾杯!!!!～そして再び伝説へ～」を行った。

1日ごとにコンセプトを決めて3日行うのではなく、FullMooNは3本のワンマン公演を、70曲を上手く振り分けて構成。13年間という歩みの中、彼女たちは明確な軸を持ちつつも、そのうえでポップからハードまで多様な振り幅を見せてきた。だからこそ、その振り幅を1日ごと、13年間の歩みを3つのパターンに分ける形で構築していた。

　「コンセプトがない」とメンバーたちは言いながらも、3日間のライブのセットリストからは、いろんなこだわりも見えていた。初日の1曲目が、バンド名にまつわる『青い月』から始まれば、3日間のライブを締め括る最後の曲に、FullMooNのライブの定番&人気曲であり、何時の時代にも絶対的な支持を得てきた『しゃむちゃら』で終えたこと。しかも、3日目の最後の曲の前に新曲を届け、その先の未来の姿を示したこと。2日目の公演の最後に『ステージ』を演奏したことにも、FullMooNが活動を続ける揺るがぬ意志を示していた。

3日間とも、お馴染みの曲はもちろん。必ず、今ではライブで滅多に触れることのない活動初期の懐かしい曲を演奏すれば、初日には、「オレンジビーチ」(伊東市の観光名所)や「OMY」(伊東市にある大室山から降臨した覆面プロレスラー、オオムロ・ヤーマンのテーマ曲)など、FullMooN縁の地である、「静岡県伊東市」を中心にした伊豆界隈に関連した楽曲を多く集めていたところにも、そのこだわりが見えていた。2日目は、『光』『Chase』『燈』『shut out』『ステージ』のように、メンバーが胸の内に抱いている未来へ向かう思いや、/バンドを続ける意志を示した曲たちを多く並べていたのも印象的だった。３日目は、中盤にバラードやエモ&メロな曲を組み込みつつ、その前後を現在のFullMooNの姿に重なる激しく攻撃的な楽曲で挟み、「これが進化し続けている今のFullMooNだ」という姿を示していた。

3日間とも、ライブの前半部と後半部を繋ぐ幕間にプレゼントコーナーを設け、ゲストが登場してサポート。2日目と3日目は、後輩バンドのSiriusとEmpressが出演。「静岡県」にまつわる楽曲を多く演奏していた1日目には、御殿場のご当地ヒーローであるイナハンザーのテーマ曲「進め！！イナハンザー！！」を歌えば、そのライバルである邪悪将軍が、幕間のゲストに登場するという関連性も見せていた。FullMooNは、他にも、伊豆のご当地ヒーローのイズカイザーのテーマ曲『イズカイザーのテーマ』も担当。静岡のご当地ヒーローたちとは深い繋がりを持っている。そんな縁ある姿を味わえたのも嬉しかったこと。

3日目に、すべての曲を歌い終わったときに、ヴォーカルのねねが号泣。じつは、2日間の公演を終えた時点で喉が限界を覚え、3日目の公演の直前まで声がかすれた状態だった。でも、3日目の公演は、最初から、そんな境地に追い込まれていたことなど感じさない、いつも通りの姿で歌っていた。だからこそ、不安を乗り越え、3日間全70曲を歌い終えたときに、気丈な心を緩め、涙ぐむどころかボロボロに泣いてしまったのもわかる気がする。

今回のライブのサブタイトルに付けていた「そして再び伝説へ」の言葉通り、3日間のライブを乗り越え、FullMooNは伝説に…なることなく、これからも進化し続け、伝説という言葉が相応しい歴史を刻みながら、これからも歩み続けていく。