2018.06.16
Soan プロジェクト NEWS

Soanプロジェクト with 芥

「静」なる表情から、一変。Soanプロジェクト with 芥は、冒頭から荒々しい「動」としての表情を描き出した。身体をつんざく音が、舞台上から次々と降り注ぐ。その音を背負い、感情の走り出すままに芥は『濁った瞳』を歌いだした。とても荒々しく、何より雄々しき興奮を抱いた楽曲だ。けっして感情のままに暴れ狂うわけではない。身体中から沸き上がる熱を全身に溜め込みながら、Soanプロジェクトwith 芥は少しずつ。でも、解き放つ一つ一つの表情に吹き出すマグマのよう灼熱な想いを乗せ、歌や演奏を撃ち放ちだした。

不穏な空気が場内を包みだす。それは、観客たちを熱狂へ思いきり引き寄せるための合図だった。『薄紅は舞い散り寂光に消える』が飛び出すと同時に、会場中の人たちが天高く両手を突き上げ手拍子をすれば、右へ左へと思いきり駆けだした。開放的なサビ歌では、芥の熱した想いに負けじと、観客たちも熱い声を上げてゆく。間奏では、ヘドバンや折り畳みの風景も登場。これまでの静寂が幻だったとでも言うように、舞台上のメンバーたちはもちろん、フロアーを埋めた観客たちの誰もが、感情の留め金を一気に外し、喧騒の中、満面の笑顔を浮かべ暴れ狂っていた。

重厚な音の塊が、舞台上から次々と降り注ぐ。魂を熱く喚起させるように、熱した感情へさらに熱を塗り重ねるよう『不確かな箱庭』をSoanプロジェクトwith 芥は突きつけた。豪放な音のうねりの中、全力で頭を振り、拳を突き上げ、ときには咲きながら、沸き上がる熱した感情を、火照るままに舞台上のメンバーたちへぶつける観客たち。ドス黒く熱した音の洪水の中へ身を注ぎ、そのまま暴れ、熱しきった底の世界へ墜ちていきたい。トリップした感情を、熱を溜め込んだ箱庭の世界にそのまま閉じ込めてくれ。

力強い手拍子、芥と観客たちによる熱い絶叫と絶叫のエール。シンクロした感情をさらに強固な繋がりとして結ぶように、Soanプロジェクトwith 芥は『隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬』を突きつけた。昂揚したままの気持ちへ、もっともっと興奮を塗りたくりたい。Soanプロジェクトwith 芥と一緒に熱狂の中で想いを燃やし尽くしたい。さらに喧騒を彩る住人として一緒に恍惚を感じようと、互いに強く求め合うメンバーと観客たち。熱した歌と演奏が渦巻く空間の中、僅かな理性を持って彼らと心を強く結ぼうと、満員の観客たちは沸き立つ声と手を力強く舞台上に伸ばしていた。

昂った感情へ冷たい調べを注ぐメンバーたち。暗鬱とした、鬱蒼した蒼の世界へ墜ちてゆくように、Soanプロジェクトwith 芥は『透過幕』をゆっくりと響かせた。その静寂も、ギター陣の荒ぶる演奏が炸裂すると同時に、雄々しき姿へと変貌。とても雄大な景観を投影した楽曲だ。大きく風景を描き加える演奏の上で、切なさも抱いた歌声を芥は優しく這わせてゆく。身体は熱を求めながら、でも心は暗鬱な物語へじんわりと浸りたい。そんな衝動を、この歌は与えてくれた。後半へ進むにつれ熱を上げる演奏。そのエナジーが向かう行く先は…。

ゆったり、たおやかな調べからの幕開けだ。「その瞬間瞬間、過去と未来、この景色をずーっとずーっとあなた達の心に刻み込んでください」。芥の言葉を受け、胸を揺さぶる旋律を転がすようにリフレインさせる演奏。沸き上がる想いを、閉まっていた慟哭にも似た感情を、雄大な演奏に乗せ解き放つように、Soanプロジェクトwith 芥は『パラドクス』を歌い奏でだした。痛みを抱きながらも、激烈で雄々しき身体を突き刺す演奏を通し、彼らは熱を持った大きな音のヴェールで満員の観客たちを包み込む。胸をグッと揺さぶる芥の歌に、心が嬉しく縛られてゆく。それまで暴れ狂っていた気持ちさえ忘れ、今は、このスケールあふれた音と歌のうねりの中へ、優しく身を浸らせていたい。
  「さぁ、こっから気持ち切り換えて派手にいこうか!!」、煽るSoan。その言葉通り『朽ち木の行方』を通し、Soanプロジェクトwith 芥は観客たちを喧騒の宴の住人として招き入れた。荒ぶりながらも幻惑した音を降り注ぎ、観客たちの身体を折り畳み、頭を大きく揺らしては、喧騒と熱狂の風景を彩る大切な存在として、大きなカンバスの中へ何度も音の絵筆を塗り重ね描き加えていった。

「さぁ、右へ左へ舞い散ろうか」。情熱抱いたドラマは、ここで満開な熱狂の花を再び咲かせた。『躁狂の踊り子~山紫水明の宴~』へ導かれ、大勢の人たちがタオルを振り回し、右へ左へ駆けだした。沸き上がる昂揚、「躍れ、歌え、狂え」、その言葉通り、触れた人たちの感情をすべて消し去り、熱狂の獣人へとSoanプロジェクトwith 芥は様変えていた。理性も冷静も必要ない。今、ここに欲しいのは、感情を壊し、野生のままに気持ちを解き放った裸の姿だ。剥きだした感情のままに暴れ狂う己の本能の姿だ。

「まだまだイケるかー!!、叫べー!!」。心地好く跳ねた演奏に合わせ、会場中の人たちが思いきり跳ねだした。「躍れ、飛べ飛べ飛べ」と煽る言葉に触発され、満面の笑みを浮かべ騒ぐ観客たちを、さらに興奮の景色の中へ芥が誘いだした。Soanプロジェクトwith 芥流のダンスロックナンバー『arrive』へ飛び乗り、大きく手を振り、無邪気に飛び跳ねていたい。それこそが、僕らの覚醒した姿だから。彼らによって導き出された、すっ裸の自分なのだから。求めれば求めるほどに沸き上がる熱した声。ただただ飛び跳ね続けたい。己の限界さえ忘れ、この喧騒の中で激しく騒ぎ狂っていたい。

「揺らせ、揺らせ」、もっともっと暴れ狂えとばかりに突きつけたのが、ラウドでアグレッシブで強靱なビートが身体を痛く揺さぶる激烈ダンスロックナンバーの『hysteria show time』だ。絶叫と熱狂とほとばしる汗が渦巻く空間の中、誰もが限界なんて言葉をとっくに脱ぎ捨て、強靱な演奏以上に強靱な宴人となり、右へ左へ走りながら、本能が騒ぐままに暴れ、はしゃぎ倒していた。
「明日のことなんて考えなくていいから、すべてこの瞬間に注ぎ込んでください」。最後を飾ったのが、激烈な演奏を轟かせ、豪快な音のトルネードの中へ巻き込んだデジロックナンバーの『frowery count』だ。身体を激しく折り畳む様も描けば、沸き立つ感情のまま大きく手を振り熱狂に身を浸す風景など、暴れ狂うドラマを持った楽曲と感情をシンクロさせながら、誰もが熱狂と興奮という絶頂感を身に抱いていた。理屈も屁理屈も脱ぎ捨て、ただただ本能の導くままに熱狂の宴の獣人と化してゆく観客たち。それ以外に何が必要だ?!。僕らが欲しいのは、自分たちを解き放つ、この空気なのだから。。。

【Soanプロジェクトwith芥 Member】
Produce・Music・Drums:Soan
Lyric・Vocal:芥(from Chanty)
Guitar・Voice:K
Guitar・Voice:Shun
Bass:Ivy(from ラッコ)