囁揺的音楽集団AsMR NEWS

2023.02.25

囁揺的音楽集団AsMR NEWS

　太田家/囁揺的音楽集団AsMR/月照ラスの3バンドを筆頭に、音楽系Vtuberユニット Silent Emotionなど、いくつものバンド/ユニット/ソロアーティストが所属しているMashup Records。同レーベルが、2023年1月より、太田家/囁揺的音楽集団AsMR/月照ラスの3バンドを中心に据えたイベント「-異彩-」を定期開催する。

その第一弾が、1月31日(火)に渋谷DESEOで催す「Mashup LIVE -異彩- streaming by GALPO LIVE SHOW Vol.1」。ゲストに、ガールズフィスト!!!!GT 南松本高校パンクロック同好会。オープニングアクトに、気まぐれ喫茶ツキシロ(月城七星)も参加。当日は、ニコニコチャンネル「GALPO LIVE SHOW」で生配信も行われた。

　ここでは、囁揺的音楽集団AsMRのライブの模様をお届けしたい。

囁揺的音楽集団AsMR

　Ayakaの語りに合わせ、楽曲が次第に輪郭を成してゆく。やがてその音色は、幻想的かつシンフォニックな音を響かせ、この場にいる人たちを異境の世界へ連れだした。囁揺的音楽集団AsMRは、1曲ごとにいろんな音の刺で感情を痛く揺さぶり、心掻きむしる物語の中へ観客たちを導いてゆく。『異端者の祭典』に触れた場内中の人たちが、魔境の儀式のようなゴシックでシンフォニックな世界へ、心を跪きながら祈りを捧げていた。さぁ、そのまま闇の物語の数々へと落ちていけ…。

不穏な音が響き渡る場内。ノイズの中へ荘厳かつ麗美な演奏が重なりだすのを合図に、楽曲は『雷命INFESTER』へ。とても壮大な景観を描き出す楽曲だ。その音楽は、今にも噴火しそうなマグマのように強烈な熱を孕んでいる。演奏の中から伝わる熱を持ったノイズ音によって、頭が混濁する。身体が奮い立つ。感覚を痺れさせるカオスな交狂曲が、混濁した意識を恍惚へと塗り替える。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　Ayakaの優しい囁きのような語りに乗せ、背景で美しいASMRな音がこの空間の中で揺れている。とても美しく幻惑した音色と語りが、次へと繋がる物語を繙くように綴られる。

Ayakaの呟くような、今にも心壊れそうな言葉をきっかけに、楽曲は、奈落の底を這いずりまわるように『トレモロ』へ。Milliのゆったりとしたおおらかな歌声が、波間に渦巻く蒼い音の唸りの中へ観客たちを連れてゆく。まるでローレライの歌声のように、彼女たちは人々の心を嬉しく惑わせ、漆黒の深海へと連れだした。彼女の歌へ寄り添うように語るAyakaの言葉と、演奏陣の壮麗で壮大な音楽が、奈落へと運ぶ音の方舟のように響きながら、人々を異境の世界へと引き込んでゆく。そして…。　

メンバーらは、熱を求める観客たちの身体を熱く揺さぶろうと『震撼SCREAMER』を演奏。メンバー全員が、アバンギャルドなのにとても情緒的な音を戦わせていた。美と破壊の衝動が1曲の中で錯綜しあう。『震撼SCREAMER』という箱の中、不思議な調和を生み出すセッション演奏が熱く繰り広げられる。その音に、強く、強く、心が引き込まれる。

最後に囁揺的音楽集団AsMRは、荘厳シンフォニックな『Saturated World』を演奏。彼女たちがこの場に作りあげたライブという儀式は、1曲ごとに時代や時空を超え、現実から遠く乖離した強烈な場面を脳裏や肉体へ焼きつける。一つ一つのインパクトが強すぎるからこそ、その熱と謎の真意を知りたくて、また囁揺的音楽集団AsMRのライブを求めたくなる。