2023.05.01
Silent Emotion インタビュー 花燎めら編
Silent Emotion インタビュー 花燎めら編
先に、VTuber音楽ユニット:Silent Emotionについて紹介しよう。
VTuberプロジェクト『Mi→RiSE -ミライズ-』から新たに誕生した、音楽系VTuberユニットを育成・発信する新プロジェクトの『Mi→RiSE116 -ミライズピンピンロク - 』。その第一弾ユニットがSilent Emotion。メンバーは、花燎めら(かりょうめら)、氷雨いちか(ひさめいちか)、小紫小夜丸(こむらさきさよまる)の3名。『Mi→RiSE -ミライズ-』は、MIRAI+RISE=未来へ駆け上がれ!を掲げた、「BanG Dream!」や「D4DJ」などのストーリー原案を務めてきた小説家・中村航が率いる「ステキコンテンツ」がプロデュースする新たなVTuberプロジェクトになる。(HPより)
これまでに、4曲のMVを作成。このたび、YouTube上で発表し続けてきた『情熱系アンドロイド』『合法妄想Freeze me!』『SHINY WIZARD』『疾風シークエンス』『蒼燕』の5曲と、新たに書き下ろした新曲の『ボナム・ノクテム』の計6曲を収録したミニアルバム『SE』を作り上げ、5月16日に発売することが決定した。
今回、一人一人にインタビューを実施。それぞれが語るミニアルバム『SE』の魅力を感じていただきたい。
花燎めら編
――3人が出会ったのが…。
めら 2021年の春過ぎだから、もう2年近く経ちます。バーチャルの世界で生きている3人が、互いに歌へ引き寄せられるように出会いました。それぞれに「歌を届けたい」気持ちを持っていたし、そのための場を探していました。3人が、こうやって引き寄せあったのも、何かの運命なんだなと思います。その出会いをきっかけに、Silent Emotionを結成。地上の人たちに歌を届ける活動を始めました。
――メンバーそれぞれが、特色を持っていますよね。
めら "炎を司る" 花燎めら、"闇を司る" 小紫小夜丸、"水を司る"氷雨いちか。それぞれが役割を担っています。3人とも、生活も、持ち味も異なるから、集まるとてんやわんやの状態です(笑)。
――それぞれの、持ち味も教えてください。
めら 小夜丸ちゃんは"真っ黒=闇"のイメージ。「今日も、生きててつらい」など、言うこと言うことが全部暗いです。だけど、いつも闇を抱えているわけではなく、感情が明るくなったときは、ぽよぽよっとした性格の人になります。
いちかお姉ちゃんは、3人の中で最年長らしく、おおらかな気持ちで何でも受け止めてくれます。たまに、わたしが悪ガキになって悪戯をしていると、めちゃくちゃ怒ります(笑)。とにかくしっかりしているから、わたしの中では、"お姉ちゃん"のときと、"姉貴!!"と呼びたくなる、そんな2つの表情を見せてくれる人という印象です。わたしは、"めらめらと心を燃やしている"めちゃめちゃ元気な性格です。
――3人とも、本当に性格がばらばらなんですね。
めら だから、いいんですよ。それぞれが持っていないピースを、他の2人が持っている。その欠けたピースを補いあうことで、最強になれるんです。それぞれのピースが上手くはまらないと、それはそれでわちゃわちゃしちゃうんですけど(笑)。3人のピースが綺麗に重なりあったときの気持ちよさは、もう最高です。それを3人とも実感しているからこそ、一緒に活動をしているわけですから。
――Silent Emotionは、『情熱系アンドロイド』を歌い、地上の人たちとコンタクトを始めました。あの曲はまさに、3人の関係を示した内容であり、Silent Emotionとしての未来を指し示す物語を記した歌でしたよね。
めら そうです。タイトルに"情熱系"という言葉が入っているくらい、熱のある楽曲。「情熱と炎」という面を出していることから、わたしと、歌の上手ないちかお姉ちゃんがメインで歌っています。初めてみんなに披露した楽曲という理由や、3人のキャラクターと、未来の物語が見える内容という理由もあって、YouTubeチャンネル上でやっているストリーミングライブのときも、よく最後に歌っています。みなさんからも、「やっぱ、この曲だよね」という反応も多く書き込まれれば、私たちも「Silent Emotionと言えば、やっぱしこの曲だよね」と言いたくなるくらい、今のSilent Emotionの代表曲だと思っています。
――『情熱系アンドロイド』からは、グループの方向性や物語の行方、3人のキャラクターも見えてきました。爽やかでキャッチーな曲調という理由もあって、「Silent Emotionはこういう路線で進んでいく」と勝手に思っていたところ、曲を出すごとに、「えっ、こう来るの??」という面を次々と見せてきましたよね。あの展開は、毎回嬉しい衝撃でした。
めら 『情熱系アンドロイド』は真っ直ぐな表情を持った楽曲でしたけど。『合法妄想Freeze me!』『SHINY WIZARD』と、曲を重ねるごとにいろんな面を出すようになりました。それを表現する私たちも、毎回、曲をいただくたびに驚いていましたけど。どんなに広い振り幅でさえも、この3人でなら表現できるのが、このグループの良さや身力だと受け止めています。
――物語の世界観を作っているのが、小説家の中村航さん。歌詞の面でも、毎回異なる世界観を描きますよね。
めら 毎回、新曲を受け止めるたびに、メンバー自身が「今回は、こう来たかぁ」と嬉しい驚きを覚えています。ミニアルバムで初披露となる新曲の『ボナム・ノクテム』のデモ音源をいただいたときも、「誰が、どのパートを歌うんだろう」「わたしはここを歌いたいけど、どうなるんだろう」と思いを巡らせていたくらい、どの曲も、毎回いろんな想像を掻き立てます。
――中村先生の書く歌詞は、いろんな表現を持って解釈できる内容ばかりですよね。
めら 本当に、そうなんですよ。Silent Emotionの歌詞の特徴が、聞き込むほどにいろんな解釈を持って広がっていくこと。最初に受け止めたときは、「これ、どういう意味だろう?」と理解しきれなかった面も、読み解くほどに解釈が広がれば、より深くなる。しかも、その人の、そのときの状況によって受け止め方にも変化が生まれる。そこが面白さだとわたしは受け止めています。
――ここからは、収録曲の解説を発表順にお願いします。改めて、『情熱系アンドロイド』からいきましょうか。
めら 『情熱系アンドロイド』は、Silent Emotionの曲の中でも一番真っ直ぐな気持ちを現した歌。「これから頑張っていきます」という思いを込めた曲だし、Silent Emotionの始まりの歌。歌詞の中へ「三人〈みたり〉は出会い」と書いているように、わたしは『情熱系アンドロイド』を、Silent Emotionの物語の「エピソード 0」として受け止めています。すごく勢いを持った楽曲であるところも気に入ってます。
――最初は、『情熱系アンドロイド』のような曲調で物語を描いていくのかなと思っていたところ、続いて発表した、激しさを抱いた『合法妄想Freeze me!』に触れ、「えっ、こういう方向性に進むの?!」と嬉しい驚きを覚えました。
めら 『合法妄想Freeze me!』は、「ワールドプロレスリング」の「2・3月度ファイティングミュージック」としてもテレビから流れていました。わたし、テレビから『合法妄想Freeze me!』が流れてきたときは、「えっ、こんなことがあっていいの?!」と思ったくらい、すごく嬉しかったのを覚えています。
この曲、もし人間の世界(リアル)でライブをしたとするなら、炎が次々と吹き上がる演出の似合うライブ曲。そういう爆発力を持っているのが、『合法妄想Freeze me!』だとわたしは感じました。ストリーミングライブのときも、『合法妄想Freeze me!』を歌いだしに持ってくると、感情のボルテージが一気に上がります。見ている人たちも、「テレビで流れてたヤツ、キターッ!!」と書き込んでいるくらい、みんなの感情も高ぶる楽曲です。
――『SHINY WIZARD』は、オリエンタルな表情を持った楽曲です。
めら 歌詞に「ニンジャもゲイシャも」や「禅の心もサムライ魂も」と出てくるように、まさにオリエンタルな要素を打ち出した楽曲です。『SHINY WIZARD』を通して、Silent Emotionが世界へもアプローチをし出した。そんな風に、地球規模で活動を広げだした印象も与えます。海外の人たちにも聴いて欲しい内容の歌だとも、わたしは受け止めています。
――日本人だけど、日本の歴史文化のことをわかっていない、そんな現代のガールズたちの気持ちを歌にしているところも、『SHINY WIZARD』の面白さだと感じました。
めら 確かに!!ギャルたちが、英語の書かれた服をファッションとして着ているけど、どんな内容の言葉が書かれているのかわかってない。それと、同じような感覚ですよね。『SHINY WIZARD』は、歌っていて。もちろん、聴いていてもテンションの上がる楽曲。ファンの人たちの間でも、人気の高い曲です。
――Silent Emotionの場合、1曲ごと本当に異なるアプローチを見せてゆくじゃないですか。表現する側は、けっこう大変になりません?
めら 小夜丸ちゃんも、いちかお姉ちゃんも歌が上手だから、2人に引っ張ってもらいながら、わたしも毎回頑張って表現しています。Silent Emotionの場合、先に3人別々で。しかも、それぞれが1曲丸ごと歌います。その上で、誰が、どの部分を歌うのかを組み合わせて楽曲が完成します。
わたしもそうだし、2人もきっとそうだと思いますけど。小夜丸ちゃんといちかお姉ちゃんならこう歌うだろうなと予測をしたうえで、「じゃあ、わたしはこう歌おう」と心理的な駆け引きもしながら毎回レコーディングを行えば、完成した楽曲を聴くたびに「おー、こうなったか」と嬉しい発見が出来るから、わたしは、そこも楽しみにしています。
――レコーディングで最初に歌った人が、その曲のガイドラインになることも多いのでしょうか?
めら あー、そうなんですかね。Silent Emotionの場合、わたしが最初に歌うことが多いから、わたしは仮歌をガイドに、どう自分の色に染め上げるかを心がけなら毎回歌っています。そこは、2人も一緒だと思います。それに、2人とも自分の色を持っているから、そこは、毎回の曲の中に生きているなと聴きながら感じています。
――『疾風シークエンス』は、激しく勢いのある楽曲ですよね。
めら ほんと、勢いがありますよね。拳をマイクにぶつけるじゃないですけど、魂をぶつけるように歌いました。『疾風シークエンス』は、歌っていてすごく楽しい曲。レコーディングのときは、さすがに拳を振り上げるわけにはいかなかったので、ずっと拳を強く握りしめて歌っていました。
――その光景が目に浮かびます。
めら 『疾風シークエンス』は、めちゃくちゃ勢いのある楽曲。サビ歌の最後に、3人で「――詠唱!!!――」と叫びます。その言葉を叫ぶときが、めちゃめちゃ気持ちいいんです。聴いてくれる人たちも一緒に「――詠唱!!!――」と叫びたくなれば、叫んでくれる人たちもいるんじゃないかな。実際にストリーミングライブで歌っていても、3人とファンたちみんなで「行くぜーっ!!」とテンションを上げて突き進む気持ちにもしてくれます。
――『疾風シークエンス』の歌詞の印象も教えてください。
めら Silent Emotionの場合、どの楽曲も解釈の仕方に多様性がありますけど、『疾風シークエンス』はとくに多様性持った解釈の出来る曲です。もともとこの楽曲は、小説✕音楽✕ボードゲームプロジェクト「魔女のお茶会」のイメージソングとして作っています。だから、「魔女のお茶会」に触れたうえで聴くと、歌詞の解釈がより深まると思います。それを抜きにしても、いろんな想像を巡らせる内容だと、わたしは受け止めています。
――『蒼燕』は、壮大な世界観を描き出す楽曲ですよね。
めら この曲、格好よくて大好きです。今でもよく移動中に聴いているくらい,すごくはまっています。冒頭、英詞から始まる部分を上手く表現するのは難しかったですけど、歌っていても気持ちいいし、わたしとしては"Silent Emotionらしいな"という印象も受けました。そう感じたのも、いろんな曲を歌ってきた積み重ねがあったからこそ、根底に流れるものに"らしさ"を感じたからなんでしょうね。勢いのある曲調なのも好きなところです。
――『ボナム・ノクテム』は、ミニアルバムの中で初めて聴ける新曲になります。
めら 「ボナム・ノクテム」とは、ラテン語で「おやすみなさい」という意味を持った言葉。Silent Emotionの中、初のしっとりとした楽曲です。この曲は、とくにメッセージ性の強い歌。『ボナム・ノクテム』も「魔女のお茶会」のイメージソング。強い感情から優しい心模様まで、いろんな気持ちが1曲の中に詰め込まれているから、聴く人のそのときの感情自体で、いろんな解釈が生まれてゆく曲だとも思います。わたしも『ボナム・ノクテム』を歌入れしたときと、少し時間が経過した今では、解釈にもいろんな変化が生まれています。レコーディングをしたときには理解しきれていなかった面が、今になって見えてくる。そうやって、いろんな風に解釈が広がってゆくところも、この曲の魅力だとわたしは受け止めています。
――Silent Emotionの曲は、聞き込むほどにいろんな解釈が見えれば、広がりを持っていくから、そこが面白さですよね。
めら そうなんです。ミニアルバムに収録した6曲を並べて聴いても、バラエティに富んでいて、すごくボリューミーだなと感じますけど。そもそも、1曲ごとにいろんな要素を詰め込んでいるから、どれも濃密な味を持って成り立っているんですよね。ミニアルバムの『SE』は、とても濃厚な曲が6つ並んだ、この1枚でお腹いっぱいになれる作品。歌う側は1曲ごとに感情表現が異なるから、ライブのときは気持ちの切り換えが大変ですけどね(笑)。
――完成した1stミニアルバムの『SE』、めらさんにとってどんな1枚になりましたか?
めら 本当に、この1枚でお腹いっぱいになれる作品です。これまで、1曲ごとに発表をしてきましたけど。こうやってミニアルバムという形で並べて聴くと、それぞれの曲が、また違った顔を見せてくれますし、以前とは異なる解釈も示してくれました。聴く人たちも、触れるたびにいろんな印象や表情を覚える作品だと思います。
Silent Emotion自体、活動を始めてから2年弱経っていますけど。いまだに、良い意味で手探りというか、曲をいただくたびに異なる表情を見せるから、それをどうSilent Emotionらしい色に染め上げて表現していくのかを楽しんでいます。いまだに、ワクワクしていけるのもいいですよね。
――めらさんの中で今、Silent Emotionはどんな存在になっているのでしょうか。
めら 今でも、「くらいついてやる!!」という気持ちでぶつかっていく場。気がついたら、普段でもSilent Emotionのことを考えることが多くなっているから、心の中を占める割合も大きくなっています。
――最後に、ひと言メッセージをお願いします。
めら 1stミニアルバムの『SE』には本当にいろんな曲が並んでいます。私たち自身も、楽曲をいただくたびに「新しいSilent Emotionが生まれた」と感じ続けてきたのと同じ感覚を、この作品を通して感じてください。初めてSilent Emotionに触れる方は、きっとビックリすると思います。
TEXT:長澤智典
「SE」/Silent Emotion
2,750円(税込)
発売日:2023/05/16 発売
販売状況:予約受付中
特典:特典あり
【商品詳細】
サイレントな世界で、君をさがしてる――
2021年12月25日始動。
「退廃美」をテーマにしたエモ×ロックナンバーを携えて、
音楽シーンに突如現れた音楽系VTuberユニット『Silent Emotion』。
炎を統べる「めら」、闇を制する「小夜丸」、水を操る「いちか」の3人が、
それぞれのMIRAIを掴むためにやって来たバーチャルな世界で運命的な出会いを果たす。
「小さきものたちに夢と希望を!」
今まさに、3人の心に宿るサイレントなエモーションが、
世界を席巻しようとしている。 全楽曲P4DJプロデューサー/小説家の中村航が作詞を担当
【収録内容】
テレ朝 『ワールドプロレスリング』2022年2.3月度ファイティングミュージック「合法妄想Freeze me!」
小説✕ボドゲ✕音楽「魔女のお茶会」キャラクターソング「蒼燕」「疾風シークエンス」を含む全6曲
【収録曲】
・Shiny Wizard
・情熱系アンドロイド
・合法妄想Freeze me!
・疾風シークエンス
・蒼燕
・「タイトル未定」(新曲)
【特典情報】
複製サイン入り 楽曲ジャケット
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▲ゲーマーズ
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